2020年7月 9日 (木曜日)

事業のリスクはどこにある

コロナ対策はしつつも、経済対策はしたいというのが今の情勢。企業もそうしたいのはやまやまですが、いろいろ障害があるというのも今の情勢。そこで、何が敵で何が味方か整理しておいた方がよさそうです。
まず行政は敵か味方かというと、これは景気によります。好景気の時には税収アップのため締め付けが厳しくなりますが、今のコロナの時期のように全産業厳しい時期には普段よりも緩い基準を設けて救済してくれるため、苦しい時には話ができる相手になります。
次に顧客を見ると、サービスが割安の際には寄り付きますが、サービスが割高になると逃げていきます。顧客の収入状況をふまえて、いかに割安感を出すかが経営上のポイントで、その成否が経営に直結するのはある意味リアル接客よりもセンシティブで大変です。
では従業員はどうでしょうか。景気の良いときに収入をあげない、あるいは景気の悪いときに収入をさげる企業はモラールを失います。しかし、転職にはそれなりにリスクがあるため、多少の賃金差で従業員を確保できないような事情になることはありませんし、従業員の多くは勤めた会社で長く昇進していきたいと思っているものです。
以上をふまえると、コロナを含めて外部環境の変化に対応するためには、まずは内部を盤石にすべきということ。コントロールのききやすい内部の統制を強化することこそ、苦しい時期を乗り越えるセオリーといえるでしょう。

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2020年7月 2日 (木曜日)

電子決済に投資を

飲食店等、不特定多数の人が出入りするお店ではかなり感染症対策が徹底されるようになってきました。事業継続のためにできることに取り組んでいく姿勢は大変すばらしいです。しかし、こうしたお店で腑に落ちないこともあります。電子決済が進んでいないことです。
現金決済の場合どうしても現金を直接授受するためここで感染拡大のリスクが生じます。電子決済であれば客は所定の場所にカードを挿入し、店員はレジを操作するだけで決済できるため両者の間で直接の接触を回避することができる点にメリットがあります。
感染症対策のためにレジに透明シートを張るなど、かなりコストをかけているにもかかわらず、電子決済にコストをかけられないというのはおかしな話、電子決済によりキャッシュフローが遅くなることや手数料コストが致命的ゆえ店舗が導入を見送っているのであれば、資金決済業者が率先して支払の早期化や手数料低減などに取り組み、その取り組みが間接的に感染予防に役立つということが普及してほしいものです。
原始的なマスクや間仕切りよりも、現代は何よりも直接の接触を省略した簡便な手続導入が流行する時期です。直接会わなくてよい、直接現金をやりとりしなくてよい、そうした取り組みはどんどん推進されていってほしいと思います。

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2020年6月25日 (木曜日)

予算を削減できるか

コロナ倒産の報道をよく目にするようになりました。もちろん、倒産する企業関係者も辛いのですが、日本経済へのインパクトを考えると、倒産した企業の背後に控えるはるかに多くの赤字企業が私は心配です。
赤字企業は当然のことながら税金をほとんど納めません(ゼロではありません)。そのため、今年の税収が大きく落ち込むことはもう間違いないことですが、きちんと申告手続を行っていれば、赤字部分は翌年以降に一定期間繰り越して、来年以降の利益から支払う税金を減額させることが可能です。そのため、相当多数あると推定される今年赤字の企業は、来年以降に支払う税金も大きく減り、これが来年以降の税収減少に直結していきます。
ここ数年、順調な税収増加で景気よく政府予算は拡大を続けてきました。予算アップを獲得した部署はいわゆる既得権益を獲得したことになります。これは税収増加が見込まれることを前提に設計されたことですが、向こう数年税収減少が見込まれることをふまえ、減らすことは可能でしょうか。私はこれは容易ではなく、安易に国債を増やしたり、パワーの乏しい部署に厳しい予算削減を押し付けて終わる可能性が高いと思います。これは、日本の財政上、将来的に大きな問題の火種になりかねません。
一般企業でもそうですが、予算は多い方がよく、景気の良いときにがっちり予算を獲得するのは当然になっている反面、景気の後退局面で予算を削減しきれないケースは多く、こうした、予算を削減すべき時にできない企業は今回のコロナのような不測の事態発生時にいきなり破綻しがちです。
収入が減るという見通しがはっきりしている局面では既得権益を主張せず支出を減らすのは当然、こうした意識をきちんと組織に浸透させていくことが組織の存続のために不可欠だと考えられ、来年以降の国家予算にも大幅削減の英断を期待したいです。

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2020年6月18日 (木曜日)

「共感」の対極にあるもの

「コロナには皆苦しんでいる。皆で助け合ってこの苦難を乗り越えよう」という共感は間違いなく社会を支えています。しかし、シビアな世界では、現実の行動はこれとは真逆の方向に向かざるをえません。
たとえば国家。国家間でコロナ対策の連携は深めるものの、国内経済や秩序を保つためには、今後、他国に妥協する余地が狭まり、お互いの主張をぶつけあって拮抗状態になったり、強国が弱国に対して有利な条件で交渉を進めるケースは増えるものと思われます。
企業間でもコロナに苦しんでいる取引先に表面上は手を差し伸べつつも、共倒れになるリスクをしっかり把握し、このリスクが一定水準に達した場合容赦なく取引を打ち切るか、強引に有利な条件に切り替えさせるなどのケースが増えるものと思います。
世界の一部で戦争や大規模災害が起こった場合、他の地域の人はその辛い思いに共感し、支援をすることが可能です。しかし、コロナは全世界ほぼすべての存在が被害者。辛い思いを共感しても、支援できる人間もその力も限られています。
「共感」は現代社会のキーワードですが、共感だけでは社会が変わらないこともあり、今回のように全員が同じ状況にある場合の方が、その可能性が高いというのは皮肉です。「共感」を広げることは間違いではなく推奨されるべきことだと思います。しかし、それをゴールにしてはならず、その先にどう社会を変えるのか、自分の身を守るのかまでしっかり段取り設計していかなければ明るい未来はまだまだ得にくいのかもしれません。

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2020年6月11日 (木曜日)

よその事例はあくまで参考

コロナ対策という未知の判断をしていくうえでは、隣接分野での事例を参考にすることがセオリーです。ここでも何度も話題にあげていますが、野球の有観客試合やドームでのライブが開催できるかは、先行するプロ野球に無観客試合と、その後に開催されるであろう有観客試合の運営が大いに参考になります。
しかし、あくまで参考であって、完全に真似すればよいというわけではないことには注意が必要です。コロナ感染に関しては、3月に中国や韓国での感染拡大が落ち着き、「もう収束した」という楽観論が日本で広まって外出が増えたことから一気に感染拡大が広がりました。また、緊急事態宣言の全面解除は、少なくとも東京は早いと言われていたにもかかわらず強行したため、東京はすぐにアラート状態に復帰してしまいました。
これらはよそが大丈夫だからうちも大丈夫だろう、という根拠のない推測で失敗した例です。失敗した要因としては、結論(自由に活動してよい)ありきで、後付けの理由として隣接エリアの状況をもってきたからだと考えられます。隣接分野の事例は大きな参考例ですが、結論ありきの根拠にも悪用されがちで注意が必要であり、我々は改めて、「自分が何をしたい」から考えをスタートさせるのではなく、外的環境の変化の中で「自分は何をすべきか」をしっかり意識して行動しなければならないと思います。

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2020年6月 4日 (木曜日)

危機感をどうとらえる国民性

日本のコロナ対策が世界から注目を集めています。諸外国に比べて非常に緩く、予算もかけずにコロナ対策の一定の成果をあげることができた最大の要因は間違いなく日本人の国民性です。
日本人は、東日本大震災の時もそうでしたが、危機に対して「何とかしなければ」という意識が強く働きます。3月の時点では新型コロナに対する危機意識が低かったため、台湾や韓国に比べるとピークアウトの時期は大きく遅れましたが、4月以降に危機意識が浸透すると、外出自粛や営業自粛がどんどん進行し、感染拡大を防止することに成功しました。
諸外国では危機時には略奪が横行するといいます。それは危機に対して「自分だけでも助からないと」という意識が働くからだと思われます。このような危機をどうとらえるかという国民性の違いが、諸外国とコロナ対策に大きな差を生じた要因であり、これは日本人の倫理観や地震・台風災害への対応の経験に基づくものです。
しかし、この国民性、若い人には少し違うかたちに変容しているようにも見受けられます。勤めている会社が倒産の危機に瀕した際、上記の国民性を有する社員であれば「倒産を回避するよう力を合わせて頑張らないと」と考えますが、最近の若い人は「うちの会社倒産しそうだから早く転職準備しよう」と考える人が増えているように見えます。
危機に向かい合った経験が乏しいからこれにどう向かい合えばよいかわからない、というのであればよいですが、様々な外国文化が流入して、国民性まで外国流に変容していくと、今後の危機対応に不安が生じます。
コロナ騒動では、大型の震災や台風時のように、日本人の良き国民性を再認識することができました。これをどう後世に受け継いでいくか、しっかり検討していくべき時期に来ているように思えます。

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2020年5月28日 (木曜日)

国家間の争い

コロナによる被害は世界各国で様々です。日本は世界的に見ればまだ被害は小さいという報道もしばしばされています。コロナ対応はまずは国内の火消しが優先ですが、国家間での相対的な浮沈争いの面もあります。
単純に他の条件が同じであれば、経済成長し、物価がよりあがった国の通貨が強くなり、経済がより発展します。この逆で、他の条件が同じであれば、コロナでより被害の大きい国の通貨が弱くなり、経済がより衰退します。
日本は欧米のように休業補償を充実させることなく、それでいて欧米よりも被害を小さく抑えることができそうです。その結果、ここからの経済回復にかける余力も欧米よりもあり、ここから適切に対応していけばV字回復は十分可能です。日本のやり方はいろいろと批判されており、現在はまだその良しあしは判断できませんが、回復を成し遂げられれば成功だったと判断できそうです。
目先の火消しを縦方向の政策と考えるならば、国家間の争いは横方向の政策。こうした縦横バランスよく考えるべきは、企業や、場合によっては個人間の競争にも有効な場面があると思います。短期目標に拘泥しすぎず、中長期的にもバランスよく考えるべき一例なのかと思います。

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2020年5月21日 (木曜日)

「いつ」やるの?

国民の関心事は、コロナ感染者数から補償・給付の方に向いてきました。そのため、「定額給付金の案内が来ない」「マスクが届かない」「持続化給付金の要件・書き方がわからない」といった電話での問い合わせが日に日に大きくなっているようです。
もちろん、ウェブサイトを探せば、これらの状況を把握するための情報を集めることはできます。しかし、パソコンやスマホをもっていない高齢者世帯等には、「10万円配る」といっただけでその後の手続きは勝手に調べろ、というのは非常に杜撰なやり方に見えます。
連日、テレビではコロナ情報をかなりの時間をかけて報道していますが、近時、テレビ報道自体、情報の発信機能は後退させて、「共感」の発信機能を重視しているように見えます。その結果、パチンコ店の行列や屋外バーべキューの様子を連日公開し、肝心な冒頭の手続の発信がおろそかになっています。
では、どうすればよかったか。10万円給付は国民の関心事であるため、もっと各メディアが徹底的に要件や手続を報道すべきでした。10万円が給付された地域の報道ではなく、「地域毎の手続であるため、時期には大きな差が生じること」、「子どもや生活保護者らも一律にもらえること」「税金はかからないこと」の方が、パチンコ店の行列の様子よりもずっと重要です。
行政も、こうした情報をできる限りメディアに自主的に流して流布することで、冒頭のような電話対応を避けることができました。
映像発信は、先に書いたとおり、情報よりも共感の発信に重点が置かれ、「インパクトのある結果事実」にばかり注力されがちです。しかし、そうではなく、原点に立ち戻って5W1Hを丁寧に発信しなければならない例ですし、地味でもそうした丁寧な情報発信をする媒体は今後生き残りやすいと思います。

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2020年5月14日 (木曜日)

死者数は増加し続けているが経済回復に動く理由

世界レベルで依然として新型コロナによる死者数は増加し続けていますが、ロックダウンは解除して経済をもとに戻そうとする動きがみられます。
死者数の増加は、現在の医療で治療困難な重篤者が既に相当数いるため、コントロールできない反面で、重篤者の増加をある程度コントロールする目途は立っているものと推察されます。後は、人々の我慢の限界、国家や企業の予算の限界に近付いていることも理由に含まれるかもしれません。
もちろん、新型コロナによる重篤者の増加を0にすることは当面できないでしょう。しかし、それをある程度小さくできるのであれば、正常な経済に戻していこうとする方向性は正しいと思います。新規患者は0にならないということをしっかり頭に入れて、各自がしっかり考え、工夫してできる限り本来のあり方に近い生活に戻していくことが大事です。
無条件で元通りになるわけではありません。しかし、これを機に、テレワーク導入ができなかった企業は導入を検討する機会にすべきですし、時間差通勤が可能であれば積極的導入する機会にすべきですし、営業自粛で倒産寸前にまで至った企業は、第二波がきた際に耐えきれるか、しっかりとビジネスモデルを再考する機会にすべきでしょう。
自分で考えて動かなければならないため大変ですが、これは我々の、そして人類の生活の高度化のための一つの機会になるような気がします。

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2020年5月 7日 (木曜日)

新型コロナ対策4層分析

新型コロナ対策については、①リスクの理解度の高低②蓄えの有無で大きく4層に分かれ、それぞれにおいて対策の程度や課題が異なっています。
まずⅠ型①リスクの理解度が高く②蓄えもある層、これは主に大企業や意識の高い富裕層で、新型コロナ対策をすることによる損失よりも万一のことがあった場合のリスクの方が高いと判断し、自主的に周囲との接触を避け、在宅でできることだけを進めています。百貨店などもここに該当し、そうした層が積極的に自粛を推進していることで、都心部の拡散が大きく低減されているといえます。
次にⅡ型①蓄えはあるがリスクの理解度の低い層、これは典型例はこのご時世に歌舞伎町でのお遊びが過ぎて立場を失った某国会議員ですが、コロナ拡散初期にイベントを強行しようとしていた企業や、テレワークや営業自粛をできるにも関わらずコストや売上減少をけちって実行しない企業お該当します。正直、この層には補償は必要なく、いかにこの層の活動を自粛させるかが大事で、そのためには将来的にはリスクマネジメント教育の普及が必要になると考えられます。
Ⅲ型は①リスクの理解度は高いけれども②蓄えがなく、自粛をしていては生活ができない層。典型例は、地域の商店街の小規模商店で、都心部が百貨店の営業自粛により感染拡大を防止できている反面で、この層の商店の営業のために地方の商店街に人が増えているという問題を起こしています。この層はリスクに対する意識は高いので、休業補償が行われれば営業はやめてくれます。こうした層に手厚い補償がなされることが何より検討されるべきです。
Ⅳ型は①リスクの理解度が低く②蓄えもない層。派遣切りにあった人などは早急に保護されるべきですが、リスクの理解度が低いため、ちょっとお金を手にしたらパチンコなどに出かけかねません。正直、コロナの拡散回避のためにはこの層の意識改革が不可欠です。政治的リーダーは外出自粛をお願いのかたちで下から丁重に伝えるしかありません。ですので、ワイドショーで日和見なころころ変わる意見を述べ続けるコメンテーターがこの意識改革を伝えていくべきです。
まとめると、コロナ対策として必要なのは①頑張ったらできる層への適切なサポートと、②頑張ってもできない、頑張る気のない層の底上げです。日本はⅠ型の層が本当によく頑張っています。だからこそ、持ちこたえているこの時期に支援の必要な層に適切なサポートがなされてほしいと思います。

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