歯科医師一家の殺人問題は家族間の微妙な関係が注目を集めています。
両親共に歯科医師であるエリート一家で重責を担う受験生の兄と、責任をほとんど負うことなく外泊等して奔放に生きる妹。
世間的には受験も合格できないダメ兄貴が、何の非もない美妹に嫉妬して起こした事件だとの見方が強いようです。
結果的に、兄の行為が最もあってはならない行為だと思いますが、離婚案件等を多数見てきた私的には、妹側にも少なからず問題があったのではないかと思います。
男は、最近は親の脛をかじって生活を続けるニートらが増えてきたものの、基本的には自分自身でこの厳しい世界を生き抜いていかないといけない、という重責を負います。
自分のやりたい事は二の次で、まずは自分の生計を自分でたてなければならない、幼稚園から受験戦争が始まるのもこのことの現れでしょう。
そのかわり、先に努力した結果、自分の生活を軌道に乗せてしまえば、ある程度自由で安定した生活を送れます。
辛いことは早めに処理、嫌いな物は先に食べて、後に楽しみを残す私としては、男に生まれてきたこと、今の状況ともに申し分のないものです。
他方、女性の場合、最近結婚せず、ある職務の最先端を突き進む女性は増えてきたものの、やはりほとんどの人は誰かの助けを得て生活していくものだと思います。
特に重責を負うことなく好きなことをやりつつ、小さい頃は親、学校に入ったら友達、大人になったら彼氏や旦那、いい出会いに恵まれなかったら国(保険等)の助けを得ながら、時に周りの人の幸せのために尽くし、生涯を通じて男ほどは波のない生活をおくるのだと思います。
大きな責任を負わない代わりに、達成感も、自分の思い通りの人生設計をする余地も少ないものだと思います。
あくまで古典的ケースの一側面を挙げただけで、私が男女についてこのような先入観をもっていると受け取られたくはありませんし、どちらが良い悪いということも言えないと思います。
歯科医師家族の件の場合、兄は自分にのしかかる重責におしつぶされそうな中で、責任を追わずに奔放に生きる妹がうらやましく、妹はその周りの男が順調にクリアしているハードルをいつまでもモタモタしてクリアできない兄に男としての程度の低さを感じていたかもしれません。
ここまではごく自然の感情でしょう。
この事件が単純に兄が妹を羨んで起こしたものであったら、兄をキチガイと認定して終わりでしょうが、妹から兄へ、家族の中で上記の感情が何らかの言動として出ていたなら、これは大きな問題でしょうし、我々が人間生活を平穏円滑に行うためにしっかりと認識しなければならない事項があると思います。
兄はニート志望でダラダラやっていたわけでなく、自分の能力を尽くし、精一杯責任を全うしようと頑張っていたのだと思います。
女性はとかく、男を結果だけで判断しがちですが、自らの重責に正面から向き合い、これをのりこえようとするとき、男は誰しも相当の恐怖と不安を感じるものです。
家族や彼女・嫁といった存在は男がこれを乗り越えられるよう勇気づける存在になることが適切であり、少なくとも正面の重責に怯える男を後ろから斬りつけるような女性は、人としての意義を疑われると思います。
一生懸命辛い仕事をこなす夫を「給料が少ない」と罵倒する妻
家計のために必死に働く夫を「帰りが遅い」と罵倒し、時には不倫まで疑う妻
風邪をひいて寝込んでる彼氏を「電話してこなかった」と罵倒する彼女
いずれも、一生懸命頑張っている人を後ろから斬りつけた、人として大きな問題のある女性の例ですが、離婚案件等を見ていれば、決して希な事案ではありません。
歯科医師家族の件で兄はどうだ、妹はどうだという話をする気はありませんが、男は平然とした顔の裏で、常に恐怖や不安を抱えており、時に失敗もするものです。
明らかなミスによる失敗の場合ならともかく、一生懸命やった結果について、最終結果のみから非難等するのは、お互いの溝を広げるばかりで、人間関係上極めて好ましくないものだということをこの事件から感じ取るべきではないかと思います。
裏を返せば、真剣に生きる男は、自分を支えてくれる女性を探し、自分を斬りつける女性と距離を置くこと、女性は男を結果ばかりでなく、努力の程度や真剣さもしっかり把握し、自分の近くの男の真剣な部分をしっかりと評価することが大事だと思います。
重責と向き合い、恐怖にさいなまれるなか、後ろから身近な女性に斬りつけられるかもしれない男は非常に辛いものだと思います。
そんな男のつらさをこの詞はよく現しているなとつくづく感心します(ただ引用したかっただけ?)。
その船は今どこに ふらふらと浮かんでいるのか
その船は今どこで ボロボロで進んでいるのか
流されまいと逆らいながら
船は挑み 船は傷み
すべての水夫が恐れをなして逃げ去っても
その船を漕いでゆけ おまえの手で漕いでゆけ
おまえが消えて喜ぶ者に おまえのオールをまかせるな
その船は自らを宙船と 忘れているのか
その船は舞い上がるその時を 忘れているのか
地平の果て 水平の果て
そこが船の離陸地点
すべての港が灯りを消して黙り込んでも
その船を漕いでゆけ おまえの手で漕いでゆけ
おまえが消えて喜ぶ者に おまえのオールをまかせるな
男のオールを任せるべきは、消えて喜ぶべき者でないことは当然の前提として、しっかりと男の不安な部分をしっかりと理解し、これを非難するのではなく、支えてあげる者が望ましいということは人間関係をうまく進めていくうえで大事なことだと思います。
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