2020年1月16日 (木曜日)

メンターを限定せよ

船頭多くして船山に上る。という諺があります。アドバイザーが多いとかえって行先が迷走するという意味です。プロ野球の期待の若手選手がこれにはまっているのが時々報道されます。コーチに指導を受け、それと異なる指導を別のコーチやOBから受け、過去の恩師からは「焦らず自分らしくやれ」と言われ、監督からは「早く1軍に上がってこい」と言われる。これらすべてのアドバイスを受け入れると大変で、取捨選択するにも、どれを残せばよいか悩み、迷走してしまうわけです。
会社で活躍しようとする際も、直属の上司、先輩、同僚、大学等の先輩、役員等からまったく異なる指導を受けて悩むケースはよくあると思います。この場面で、もちろんそれぞれの指導の内容をふまえて一番良い内容を自分で選ぶのがファーストチョイスです。しかし、何が良いか自分で判断できない時もあるでしょう。このとき、誰の助言を優先するのか、自分のメンターを限定し、あるいは順位づけしておき、迷った際に誰の助言を優先するのか決めておくことが有効です。
迷った局面では、「最善を探そうとせず、70点くらいの選択で満足する」「すべてを立てようとせず思い切って取捨選択する」ことが大事です。特に逆転を目指す局面では、どうしても最善策を探したくなりますが、それ以上に、時間のロスや技術・評価の後退が大きく響いてしまいます。冒頭の諺にせよ、八方美人のデメリットの指摘にせよ、この点に関しては先人もいろいろ悩まれていたことがうかがえます。

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2020年1月 9日 (木曜日)

環境に合わせた戦い方

長距離走は単純な運動のようで実に奥が深いことは、この時期、いろんな角度で実感することができます。1つの切り口を示すと、トラックでタイムを出せる選手と、ロードでタイムを出せる選手とがいます。通常は、トラックの方が記録が出やすいのですが、ロードに強い選手は、沿道の応援を力に変えたり、競り合いで力を出せる特性を有しています。
これは選手個々の特性で、監督がこれを見極めて選手起用を考えていくわけですが、長距離の道で成果をあげていくためには、選手の側としては、どちらの環境下でもできる限り安定した結果を出せるよう練習あるのみです。
このように、基礎的な力を既に有していても、環境によって成果を出せるか否かが変わってくることはどの業界でもあり得ることです。そのため、基礎的な力のうえに、環境に合わせて成果をあげる柔軟な対応力を備える訓練も大事です。「もう基礎力は十分あるから」と、違う新しい分野への挑戦に偏る人と、謙虚にどんな環境でも力を出せるよう準備に余念がない人。どちらが安定した結果を出せるかは一目瞭然です。
このように、逆転の一手は、力をつける訓練だけでなく、力を発揮できる訓練を念入りに行うという視点からも発見可能です。効率よく成長しようとすると、この点はどうしても疎かになりがちですが、逆転する、逆転されないためにも、念入りに様々な場面を想定し、どのような環境でも力を発揮できるよう準備しておくことがとても大事だと感じます。

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2020年1月 2日 (木曜日)

成果は遅れてやってくる

目標達成のために一生懸命努力するけれども、なかなか思うような結果を得られないという人はいます。それ自体は決して悪いことではありません。タイムリミットの厳しい目標を立てたから間に合わなかっただけで、一生懸命頑張ったという事実は変わりません。その結果、たとえば大学入試では本命の大学に入れなかったけれども、入った大学ではスムーズに学業になじめて結果的にそちらの方が大学卒業時の学力は高くなっていたというような逆転は生じます。
このように「遅れてくる逆転」は意外に多く訪れるもので、新しいステージに入った瞬間は特に、1つ前のステージでやり残した分野で逆転を果たすチャンスです。
1年の始めも同様で、昨年やり残したことをここでリセットしてしまうと何も残りませんが、昨年頑張ったことを継続して取り組むと、新年早々幸先よく逆転劇を演出できるチャンスがあります。
新しいステージや新年の始まりはフレッシュスタートするイメージがどうしてもありますが、実は前のステージでのやり残しを完遂するチャンスです。お正月休みは昨年頑張った努力の棚卸整理をして、休み明けからスタートダッシュをかけると良い1年になるのではないでしょうか。

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2019年12月26日 (木曜日)

演繹的アプローチ

先週、公認会計士の実務補習所の入所式で優秀生として表彰されたうえで、スピーチの機会がありました。
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会計学は演繹的アプローチという、基礎概念を整理して実務に応用する考え方と、帰納的アプローチという実務の結果から基本的な考え方を整理する考え方と大きく2つのアプローチがあります。私はこの2つのアプローチになぞらえて、個の成長の局面において、中長期的視点にたって演繹的アプローチを採用するのが良いとスピーチしました。
たとえば、会計士の補習所における勉強では、どうしても求められる単位数が多いので、「いかに単位を確保するか」という結論から勉強スタイルを考える人が多いのですが、それでは結局ノルマ達成だけに忙殺され、根本的な力を得ることができず、修了考査で大変苦労することになります。そうではなく、1件1件丁寧にこなし、着実に成長を積み上げていくべきだという話をしました。
個の成長も逆転の一手も基本的には同じ考え方で、短期間で逆転しようという結論ありきで博打を打つのではなく、中長期的視点で、今積み上げられる最大のものを積み上げ続けるのが最善手です。私もまさか、ここで会計の基礎概念である演繹的アプローチが絡んでくるとは思っていませんでしたが、逆転の一手はまず堅古な基礎づくりからであることは決して忘れてはならないと思います。

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2019年12月19日 (木曜日)

電子決済の今後

今日の「逆転」はいつもの意味ではなく、日常生活の他愛のない場面での話です。スーパーのレジで最近、スマホ決済をしている人が増えました。これは便利なようで、レジの人も買手も慣れておらず、機械もうまく反応しないことから、意外に手間取っているケースが多いです。そのため、スマホ決済をする人が1人いるかいないかでレジの流れの早さが異なり、レジ列の逆転が生じる場面もよくみかけます。
ではスマホ決済は失敗なのかというと、そうは思いません。まだ人が慣れていないだけで、慣れれば早く回転できるようになるでしょう。スマホ決済だと、「ポイントカードお持ちですか」などの定型的な質問等を省いて自動化できるため、現金決済よりも間違いなく処理は早くなるはずです。そのため、今はちぐはぐでもやがて早さの逆転が生じるはずです。
このように、導入当初は混乱があってうまくいかなくとも、我慢強く浸透するまで辛抱することが新種のサービスの定着には不可欠です。しかし、それは内容をふまえて、将来的に問題解決ができる見通しがはっきりたっている場合の話であり、いくら画期的な新サービスであっても、当初の想定と異なる出だしで、将来改善される見通しが立っていないのであれば早期撤退の判断こそが、次の別のチャンスでの挽回の必須条件となることもあります。
この我慢か撤退かの判断、多くの人は感情的に「負けを認めたくないから我慢」か、「精神的負担が嫌だから撤退」か決めてしまいがいです。しかし、そうではなく、物事の序盤・中盤・終盤で思うようにいかないとき、その原因が何で、どう解決するのかしっかり道筋を改めて丁寧に検討してみることが大事で、それをこまめにできる人が、逆転を手に入れやすい位置にいるといっても過言ではないと思います。

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2019年12月12日 (木曜日)

「大」はリスク

一昔前の成長期には、将来を見越して積極的に投資したものが勝ち、の風潮が強く、新規開業のオフィスもやたら広かったり、仕入れもやたらと大量に仕入れて、その後の変更のコストや単位あたりのコストを下げることがセオリーでした。つまり「大が正解」というわけです。
しかし、今はシェアオフィスや自宅でコンパクトに開業したうえで、その後の成長が見えた段階で順次サイズを拡大していくやり方が浸透してきています。初期の大きな投資はリスクであり、このリスクを極力下げて安定的に伸びていこうという考えです。私も基本的にこの考え方に賛成で、「大はリスク」と考えるようになりました。
このように、リスク回避のために、小さな投資から少しずつ大きくしていくのが、追いかける側の1つのセオリーになりつつありますが、これは同時に逆転のチャンスを待つ受動的な一手にもなり得ます。一定の規模のジャイアントになると、こうした小さなプロジェクトは採用できなくなり、大型プロジェクトを立ち上げて、成功させ続けることでしか成長できません。
もちろん、ジャイアントは十分な体力があるので1回や2回プロジェクトに失敗してもビクともしないでしょうが、組織の空気が、「大型プロジェクトありき」で突っ走りすぎ、失敗がかさむと社員のモラールはどんどん低下し、崩壊に進んでいきます。
コンパクトにプロジェクトを立ち上げてのんびり育てていくのは、追いかける側にのみ与えられたカード。大きく成長するためにはどこかでリスクをとる必要はあるものの、リスクをとらざるえをえない場面以外は手堅く進めていく方が、遅いようで実は逆転が早く訪れるのではないかと思います。

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2019年12月 5日 (木曜日)

同レベルの相手は必ず抜ける

私が毎日ジョギングしている中之島公園は、あまりジョガーがいないので誰かと並走するようなケースはほとんどありませんが、皇居ランをすると、様々なペースのランナーとすれ違います。
中にはスポーツ選手並みに1km3分ペースくらいの速さで走っている人もいますが、こうした人は見てはいけません。ジョギングの目的が全然違うからです。こうした人を除くと、ほとんどの人が自分より少しペースが速いか、少し遅いかだと思います。普通に走ればこのレベルの人たちは、あきらめずに走り続ければ全員追い抜けます。
自分よりペースの遅い人にはもちろん勝てますが、自分より少し早いペースの人も、常にそのペースで走っているわけではありません。疲れたらペースを落としますし、途中で休憩するかもしれません。それだけ、あるペースで走り続けることは困難、というかできる人が少ないです。私は1km5分程度で毎日ジョギングしており、皇居2周程度であればこのペースを変えることなく走ることができます。そのため、自分より少し早く走っている人にいったん抜かれても、どこかで抜き返す逆転劇が待っていることが多いです。
ジョギングに限らず、日々の競争も同じで、自分と全然違うペースで走るトップランナーを無視すれば、多くのライバルは自分と同レベルのスピードで歩んでいるはずです。そこで大事なのは、持続可能な速度で進み続けること。それさえできれば必ず同レベルの相手は追い抜けます。大事なのはこの持続可能な速度をできる限り早く見出すことと、その後は自信を持って続けること。逆転の基本は至極シンプルです。その感覚をつかむには多少の経験は必要ですが、しっかり戦略を練って自信を持って逆転する、そういう存在であり続けたいと思います。

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2019年11月28日 (木曜日)

高い壁の正体

高校スポーツの都道府県予選などで、今年勝負の学校が一生懸命やったけれども最後には伝統校に負けて全国大会出場ならずというケースはよくあり、このとき伝統校を「高い壁」と報道されることがあります。その伝統校が有望選手をたくさん集めて、かつ、丁寧に育成していたのであれば高い壁だったかもしれません。しかし、必ずしもすべてのケースがそうではなく、その伝統校に勝てるチャンスは十分にあったケースの方が多いと私は思います。
負ける要因として一番多いのは、伝統校に敬意を払いすぎて慎重に戦略を立てすぎるパターン。続いて、勝てそうな最後の局面で緊張しすぎてしまうパターン。いずれも、要は自滅です。
強い相手に対して、最初から最後まで慎重に戦うのはセオリーで間違いではありません。しかし、それが自チームの良さを消してしまうのであれば、慎重は気持ちだけにして自分たちが力を出せるやり方を模索した方がよいでしょう。現に、「高い壁」と称される伝統校にはねのけられても、一度その学校を撃破してしまえばその後は連勝が続くこともよくあります。
逆転の一手は相手の名前に負けて悪手を指さないことが必須で、そのためには、格上の相手に合わせて戦略を練るのではなく、自分たちがどうやって相手に対して力を発揮するか、自分目線の戦略構築が不可欠です。高い壁を目の前にしても、「その壁をどう乗り越える」という相手目線ではなく、「その壁を前に自分をどう発揮するか」という自分目線で攻略法を考えることが、逆転のために不可避なのだと思います。

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2019年11月21日 (木曜日)

将来を見越した人的資源集めを

多くの組織は、即戦力で使える人材を求め、あまり手間がかからずに成果をあげる人材を奪い合います。短期的視点ではこれが正解です。しかしながら、一定の規模以上の組織でこれをやっている組織は、中長期的にはっきり伸び悩みます。
たとえばプロ野球のドラフト。高校生は、いくら甲子園で活躍しても、プロの世界で使えるようになるには数年かかりますし、そこまで成長できずにチームを去ることもよくあることです。これに対して、大学や社会人の選手はうまくすれば初年度から使えますし、1軍経験なく引退する選手の割合はかなり低くなります。この面だけを考えると、ドラフトは大社中心でいけばよい、となるでしょう。
しかし、チームを強くするためには、プロの中でも傑出した才能を、プロの中のトップ選手に育て上げなければなりません。この才能は、高校生でドラフトしなければとれないことも多く、このため、有望な高校生を高い順位でとって育てなければ強いチームは絶対に作れないシステムになっています。
これはどの組織でも同じで、手間がかからずすぐ使える人材は便利ですが、チームとして同質化が進み、目先の課題解決が目標となってしまって結果的に小さくまとまってしまうことになります。そのため、時間はかかっても業界の第一人者となれそうな見込みのある人材は積極的に受け入れて、長い目で育てなければ、組織として成長できない仕組みにもなっているのです。
日本は特に平等意識が強いため、同期入社の待遇を分けることも、入社初期に活躍した人が出世できず、入社後しばらくして成果を上げだした人が出世できることなどにも抵抗を感じる人は多いでしょう。しかし、組織のミッションを目の前の課題解決においてしまってはその組織に大きな成長は望めません。組織をひっぱる大物の育成に時間とコストを投資することは避けられないのです。このことを的確に理解し、実践している組織は、今は大した成果があがっていなくとも、逆転の一手を既に放ったと考えることができます。

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2019年11月14日 (木曜日)

勝ち続ける覚悟

業界のトップランナーは勝ち続けます。組織の戦いでも、トップを走る組織は勝ち続けます。なぜ勝ち続けることができるのでしょうか。そのヒントはそうした人や組織が「落ち始めたら一気に落ちる」ところにあります。
正直、すべての戦いに全力を尽くして勝とうとする意識を奮い立たせるのはなかなか困難です。そのため、どうしても「今日は楽して勝ちたい」とか、「この相手なら手を抜いても大丈夫だろう」などと考えがちです。これが二流の考え。業界のトップランナーは精神的負担がどれだけ大きくとも、「全部勝つ」という高い意識をしっかり備えて勝負に臨むから勝ち続けられます。しかし、能力が限界に達し、気持ちをマックスに持って行っても勝てなくなると、気持ちも切れてしまい、一気に落ちてしまうのです。
プロ野球やJリーグの試合、全試合に全力を尽くしている選手はごくわずかで、それ以外の大多数は、傍目にはっきりわかるほど、途中で手を抜いている場面がはっきり見て取れます。それだけ、シーズンすべてに全力を出すのは困難で、適当に抜きながらやらなければもたない世界なのですが、それでも勝ち続ける人は毎回毎回、きちんと自分の意識を高めて試合に臨むのです。
逆転の一手は、まずは「絶対勝つ」という意識をしっかり高めることから始まります。「運よくい展開になれば」とか、「チャンスがあれば頑張る」などと考えていては絶対に逆転は無理です。相手が高い意識を持っていればなおさら、それを上回る意識をもって最善を尽くし続けなければなりません。
ある程度のレベルに達すると出てくる悪い誘惑「ここまでくれば楽して今の地位を維持したい」がありますが、勝負事は勝ち続ける覚悟を持たなければ勝てませんし、それさえあれば、多少の実力差はひっくり返せるはずです。逆転の一手のために必要な根本は意外と明確になっていると思います、

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