2018年3月20日 (火曜日)

部下は無知で1から教えなければならないと思うべき

上司が部下に仕事を頼むやり方の1つとして、好きにやらせて、後で上司がフォローするというものがあります。
上司にあまり手がかからない合理的な方法ですが、実は極めて危険なやり方であることは認識が必要です。
部下が事情に精通し、何をするとまずいか認識していればあまり問題は起きないかもしれませんが、そんな優秀な部下に恵まれることは限定されています。しばしば部下はよくわからずに致命的なミスをしてしまうものです。
上司が部下の仕事に目を通し、対外的に出す前にチェックする体制がとられていれば問題ありませんが、効率を重視してこのようなやり方を採用している以上、必ずしも上司によるモニタリング機能は期待できません。
その結果、部下のまずい仕事が外に出てしまうと、上司は保身のためにそのもみ消しに奔走することになります。これが、様々なニュースで報道されている、ブラックに見えるけれど断定はされないギリギリのグレー案件が発生する基本的な仕組みの1つだと思います。
あくまで私の主観ですが、自分が明らかなミスをして、それを必死に自己弁護しようとする人はあまり多くなく、しかし、他人のミスについて、監督責任等のある別の人物が、責任逃れのために必死に触法ギリギリの行為をするのはしばしばあることなのだと思います。
しかし、その背景には、効率的にやろうとして部下の監督を疎かにした事実があり、それはやはり自己のミスと同レベル。
大事になる前に誤魔化す程度であればともかく、大事になってしまった後は、潔く責任をとる姿勢が忘れられてはならないと思います。

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2018年3月13日 (火曜日)

品物違いを交換する自由

ネット通販の便利さがどんどん拡大していますが、このままネット販売ばかり拡大し、対面販売が縮小すればよいのでしょうか。
対面販売のメリットの1つに、品物違いの際に未開封であれば交換してもらえる、というものがあります。これは我々は当然の権利のように感じがちですが、そうではありません。
こちらが十分に品物を確認しないで、うっかり目的のものと異なる物を買ったとしても、売買契約は有効に成立しており、錯誤の主張も簡単ではありません。しかし、対面販売なので、お店の善意で商品を交換してもらえるのです。
自動販売機で商品を間違えるとまず交換はできません。その販売機のオーナーが近くにいないからです。ネット販売では通常、キャンセルはできない規約になっているでしょうし、できても送料は買主負担で、事実上キャンセルが制限される場面も多いでしょう。
うっかり目的のものと違うものを買ってしまうのは誰にでもあることです。それを救済してくれる対面販売の善意は人間社会の善意でもあるように思います。
そう考えると、ネット販売は便利さを優先して追及する場面に限定され、大事な買い物は対面販売でやった方がよいという考えに到ることができます。

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2018年3月 6日 (火曜日)

労働関係法令の解釈は労使のバランスを考えながら

労働関連の案件は難解な分野の1つとされています。その理由は関連する法令や規則が多いことも挙げられますが、随所で「タテマエとホンネ」の葛藤がある点も見逃してはなりません。
労働関連の法律をストレートに適用すると、被用者にかなり有利な内容となることが多いです。かといって、この権利を全員が好き勝手に行使すると、組織はうまく動かず利益を喪失してしまったり、権利を行使することで、その被用者は居場所を事実上失ってしまうケースもあります。
労務DDなどをすると、企業は労務に関して非常に大きなリスクを負っており、これをいかにうまくさばくかが、組織として健全に発展していく1つの鍵となります。
要は、被用者は使用者に対して権利を持っていますが、その行使はお互いにプラスになるようバランスよく行われるのが理想です。
近時は、景気回復の兆しもあり、企業の業績は回復傾向にあるが、それが賃金上昇になかなかつながっていないと言われます。このような状態では、被用者は実質的な賃金上昇に代えて、多少、権利、すなわち有給休暇や残業代を積極的に主張することは、労使のバランスをとる方向に機能するでしょう。
逆に経営破たんに向かっている企業などでは、個々の被用者が権利主張をひかえ、まずは本丸である企業の業績を全員で回復させる方が、全員のために有益であるかもしれません。
この記事は、決して労働者がその権利を行使すべきではないなどと主張するものではありませんが、労使が共に納得できる結論に持っていくためにはそのバランスが重要で難しいのが、この手の案件の特徴です。

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2018年2月27日 (火曜日)

速度規制を厳格に

都心部では自動車は非常に良く交通法規を守っています。車が多くて速度を出せない、死角が多くて危険、警察の監視も厳しいといった事情もあるのでしょうが、きちんと交通法規が遵守されているため、子どもが飛び出しても車がブレーキをかけて止まることが間に合うケースもあります。
逆に、高速道路や地方の道路では、特に制限速度があまり守られていません。都心部では自動車の代わりに自転車が、速度超過やながら運転で歩行者の大きな危険を生じさせています。
この2つを比較して、自動車という大きな力を利用していても、一旦停止や制限速度を重視して、要は制御可能な速度で走行していれば、予測できない状態に陥ってもうまく事故を回避できる可能性が増えます。
これに対し、制御不能な速度で走っていると、事故の回避は不可能であり、不可能であるからと、相手に責任を押し付けて紛争となったり、救護義務を果たさず逃げてしまうというような意識につながりがちです。
ですので、交通法規の規制の基本はスピードを出し過ぎないようにすること。自動車や自転車は速く移動する手段ではなく、快適かつ安全に移動できる手段に位置づけるべきです。
スピード感はVRや専用の娯楽施設で楽しむようにし、社会内での車の移動は速度規制を厳格に行う方向に進めれば、歩行者が安心できる安全な社会に近づいていくと思います。

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2018年2月20日 (火曜日)

正しいルールでも相手によっては押し付けない

優先座席に座っていたことに腹を立てられて刺される、エスカレーターで片側に寄っていなかったため突き飛ばされる、高速道路で制限速度で走行していたら煽られる、こんなニュースを見る度に、世の中おかしいと感じます。
正しいルールは、「優先座席は譲り合いの精神で使うべきであるが義務ではない」、「エスカレーターは片側に寄らない・歩かないのが正しい乗り方」、「高速道路では制限素速度を守らなければいけない」が正しいルールです。
正しいルールを主張することはとても大事なこと、しかし、それは相手を見て行った方がよいです。
すなわち、冒頭に挙げた3種類の犯罪者は、いずれも、誤ったルールを理解しており、かつ、相手を見下しています。こうした人には、正論を述べても、逆に危険な対応をされるおそれが生じるばかりです。
法律・ルールは自分が守るだけでなく、周囲に守らせるにも社会人の役割ですが、危険を負ってまでするのは警察に任せればよいと思います。
ですので、このような変な輩に誤ったルールで絡まれた場合、決してその誤ったルールに便乗してはいけませんが、相手に正しいルールを押し付けず、その場は譲って、速やかに距離を置くのが自衛も含めて賢い対応かと思います。
おかしな輩は、ルールを逸脱しておかしな輩なので、正論で従わせることは困難です。悔しさはぐっとこらえて、自衛のために退く、という選択肢の大事さをしっかり意識いただければと思います。

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2018年2月13日 (火曜日)

安い物には裏がある

必要な取引をする際、実際に店頭で話をするのではなく、ネットで比較して良い条件の業者と契約することが増えています。そのための条件比較ツールも開発が進められています。
しかし、そうした業者のほとんどは、我々の知らない会社。下手な会社を選ぶと昨年の某旅行会社や、最近の某着物業者、仮想通貨取引業者のように、突然大きなトラブルに巻き込まれてしまう危険があります。
このような危険に対して、ネット上では、ネット取引にあたってその業者の財務状況をチェックしなければいけないのか、と嘆く声もありましたが、私はそこまでは必要なく、怪しい商品に警戒感を高めればよいと思います。
では、怪しい商品とは何か。同じ商品なのに、企業努力の幅を超えて安値で出している商品などはその筆頭に挙げられるでしょう。
近時は商品取引であっても、付随サービスを含めてトータルの価値が重視されます。ですので、こうしたサービス面であまり良い評価が得られていない企業は、無理をしている可能性が高まります。
有利な条件の取引は、そのチャンスをきちんと生かすことが大事ですが、あまりに有利な条件を警戒すること、目的物だけでなく、その周囲も総合的に見て怪しい要素がないか確認すること、これで十分危険の高い業者との取引は回避できるでしょう。
もちろん、100%のリスク回避のためには、相手先の綿密な調査が必要ですが、多くの場合、それはコスト面で現実味がありません。ちょっと怪しいなと思ったら慎重に取引する、その意識を持つことこそが、不測のトラブルを避ける現実的な対応なのです。

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2018年2月 6日 (火曜日)

アドバイザーに求められるスキル

仮想通貨の流出問題は、企業の管理体制が甘すぎたことが原因であると報じられています。次々と新たなスタイルの商売が現れる中で、今後ますます顧問弁護士やコンサルタントなどの外部アドバイザーの資質が重要になります。
このような新しいスタイルの活動をする企業に対して適切な助言ができるアドバイザーとはどのような人でしょうか。経験は必要条件でしょうが、過去の経験をそのまま新しい業界に適用しようとする人は適任ではないでしょう。
私は近畿財務局で金融機関検査を担当した経験があるので、その考え方をベースに、仮想通貨取扱業者に対してもある程度、管理体制構築のアドバイスは可能ですが、もちろん、金融機関向けの内容をそのまま適用することはできず、仮想通貨業界に潜むリスクを想像しきって、業界に適した新しい体制を考えていく必要があります。
そのリスクの想像のうえで、今後ますますITの理解の重要性が増していきます。すなわち、外部アドバイザーに求められるのは、豊富な経験、ITの理解、想像力(地頭の良さ)です。
経験の有無はそのアドバイザーの経歴や著書などをふまえ把握可能です。これに加えて、ITの理解に努めているか、根本的な能力の高い人であるかを、会話の中で把握して、外部アドバイザーを決定するのが望ましいです。
今回の件が、外部アドバイザーが無能であったのか、企業がアドバイザーの助言に従わなかったのか、原因は不明ですが、今後さらに様々な分野で新しいスタイルの起業をしていこうとする方は、ぜひ、優れたアドバイザーを探し当て、信頼関係を構築してより良い企業運営を模索していってほしいと思います。

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2018年1月30日 (火曜日)

結論提示だけでは解決しない

確定した事実に対して、法律を適用した後の結論は、弁護士資格を取り立ての若手弁護士でもしっかり導いて説明することができます。
結論が良いものであれば問題ありませんが、結論が思うようなものでない場合、その前提となる事実で争えるところを探すしかありませんが、私はこのような一般的な法律相談の有り方に疑問があります。
法律は確定したルールであり、その上で最善策を考えて提案するのが法律家の仕事であるべきで、結果を伝えて、結果からさかのぼるやり方では将来AIに簡単にその居場所を奪われてしまうと思います。
多くの人は事件が深刻になってから相談に訪れますが、本来は、ルールを正確に理解して自分の行動を選択する段階で、当該選択に伴うリスクの説明と最善策を考えるため、弁護士に相談されるのが望ましいです。
これを妨げているのは、弁護士費用の問題と、弁護士に何をどこまで頼めるかが周知されていないことだと推察されます。
私は事後的なフォローをするより、事前にルール上の最善策を提案する弁護士を目標としています。そのために必要なスキル、業務効率化に伴うコスト削減など、課題が少し見えてきた感じがするので、その克服に取り組んでみたいと思います。

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2018年1月23日 (火曜日)

誰のための指摘?

裁判中、裁判長は傍聴人も含めて、法廷にいる人に様々な指摘な指示をします。その指示の中には被告人に対して非常に厳しい意見もあれば、弁護士や傍聴人に対して様々な要望をするものなどもあります。
裁判が正しいか否かは検証しようがありません。ですので、裁判官は常に公平で優れた人間性を持つ人だという信頼を得る努力が不可欠です。ここで、被告人等に対して厳しい意見をすることと、こうした信頼を得ることとが矛盾するのではないかという場面は時々あります。
この問題は裁判長が何の目的で発言したかと、その内容・程度によって解決されるものと思います。
裁判官は時に刑事事件で被告人を精神的に追い詰めるような意見や質問を投げかけます。これは、被告人に真に反省を促し、将来の犯罪抑止を意図したもので、必要な措置です。ですので、こうした言動があったとして、裁判長に対する人間的な信頼が損なわれることがありません。
しかし、将来の犯罪抑止目的ではなく、徒に被告人を追い詰める目的であったり、将来の犯罪抑止目的であっても、「死んだ方がよい」などという言葉が出てくると、裁判官に対する信頼は失われるでしょう。
要は、より良い裁判手続のために、相当な言葉で厳しいことを言うのはむしろ望まれるべきものであり、これらの要件を満たさない場合に厳しい事を言うのは危険だということです。
地裁の法廷でよくみかけるケースは、このようにより良い裁判のためではなく、自分の仕事処理のために、関係者に過度の要求をするケースです。
・独特の話し方をする証人に対して、「聞きにくいから普通に話しなさい」という。
・1つ1つ丁寧に質問を組み立てている代理人に対して、「まわりくどいので簡潔にまとめてください」と言う。
・独特のやり方やまわりくどいやり方にイライラしている様子を顔に出す。
・自分の想定する判決の論理の流れに強引に話を誘導する。
裁判官は効率よく事件を裁こうと考えての行動なのでしょうが、当事者側から見れば、「上から」であり、「案件を業務としてしか見ていない人だな」と感じてしまいます。
高裁でこのようなことはほとんどないので、それだけ、高裁と地裁とで、裁判官の成熟度が相当程度違うのだと感じます。
より良い成果のために、無茶なお願いや厳しい指摘をしても周囲は理解しますが、自分の仕事のためにこうした言動をすると疑問を感じられてしまいます。
弁護士も顧客に対して、自分の事件処理の都合で、無茶なお願いや厳しい依頼をしないよう気をつける意識をしっかり持たなければと思います。

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2018年1月16日 (火曜日)

我慢するか見限るかのライン

相撲協会のゴタゴタは昨年から断続的にいろいろあり、まだ続きそうな気配です。
この相撲協会の件それ自体を題材にはしないのですが、組織の上位者が何かおかしなことをしていると感じたとき、下位の者はどうすべきでしょうか。
伝統的な日本の倫理観からすれば上下関係を大事にして黙っているのでしょう。しかし、現代的には、少なくとも下位者が上位者に「おかしいと思う」と意見をし、上位者とコミュニケーションをとることが求められ、その中でより適切なやり方がみつかれば大成功です。
とはいえ、なかなか上位者が下位者の意見を聞いて考えを改めるというシーンは容易には訪れないでしょう。その場合どうすべきかが今日の本題です。
その上位者のさらなる上位者に相談するというやり方もあるにはありますが、明確に上位者が間違っていることを説明できない限り、その人は通常、上位者を擁護するため、事実上あまり有効な方法にはなりません。
結論として、残った方法は、黙ってひくか、強硬策に出るかの2択です。組織に所属する以上、下位者が上位者に従うのは当然であるため、原則は前者ですが、その組織に所属しなくてもよいのであれば後者で自分を押し出してもよいかもしれません。
そして、この二者の線引きをどうするかですが、以前、私は以下のような事態に陥りました。
ある非営利団体の理事として職務をしていた際、副理事長の違法行為(内容は軽微ですが)に気づきました。そこで、何度かそれは違法行為なのでやり方を変えた方がよいと提案しましたが、その度に私はどんどん窓際に追いやられていきました。これが普通の選択であれば上下関係の中で従ったのですが、軽微とはいえ、違法行為を強行する組織と接点を持っているとやがて自分の身に危険が及ぶ可能性があると考え、この団体の理事職からは退くことにしたのです。
要は、上が上下関係を盾に取って違法行為を強行するようなら、そんな団体とっととやめた方がよい。それ以外はおとなしく組織の方針に従うべき。ということです。私はこの明確な線引きができて、上下関係のコミュニケーションの中で自分がどこまで意見を言ってよいかとても整理することができました。

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