2020年4月 8日 (水曜日)

わかりやすい行動指針と倫理観

組織のリーダーの大きな仕事の1つに、組織メンバーの行動指針や高い倫理観の醸成があります。上司は部下にすべての行動を命令することはできません。ですので、できるかぎりわかりやすい行動指針を示して、具体的な指示のない場面でも組織の意向に沿った活動ができるようにすべきであり、また、普段から高い倫理観を植え付けていくことで、不正やその他逸脱した行動を防止できます。
昨今の情勢から、このことの大事さをしばしば痛感させられます。すなわち、新型コロナについて要請される自粛の内容がよくわからないから従わない、という人がこんなにも多いのかという現状です。
自粛要請の具体的な内容がわかりにくいのは、行政として補償義務の確約を回避しつつ、各自ができることをやってほしいというもので、少し考えれば私はわかると思うのですが、それが浸透していないのは、やはり言葉足らずな部分があり、また、日本人固有の高い倫理観も失われつつあるのかと感じます。
ただ、今回の件は終わりがみえないという点が一番厳しい課題であるように思います。「2週間経済活動を止めて無収入に家に閉じこもるように」という要請が出た場合、多くの人にとって厳しい内容ですが、ゴールがはっきり見えているだけにおそらくほとんどの人が要請に応じられるのではないでしょうか。しかし、組織で何かを目指す場合、明確なゴールはないケースの方が多いと想定されます。
そう考えると、ゴールの見えない長期戦となるのであれば、闇雲に自粛要請するのではなく、体力のない小企業や非正規・派遣の方々へのサポートを早急に行ったうえで、持続可能な自粛要請をもう少し明確にすべきだったようにも思います。
この件のゴールがどこにあるかまだ誰も知りませんが、ゴールの見えない先に向けて日本人全体で動いていく際の課題や反省点はいろいろ見えたはずで、ぜひとも今後に生かされてほしいと願います。

 

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2020年4月 1日 (水曜日)

共感を得るためには弱者の目線で

新型コロナで社会全般にイライラが募る中、世間の共感を得る組織にも一定の共通点があるように思います。零細企業が、生活のためにやむなく飲食店やジムを継続営業しても誰も怒りませんし、世間の共感を得やすいでしょう。他方で体力のある中規模以上の企業がこれをすると批判の的となりやすいです。その差は、前者は「生活のためにやむを得ずやっている」という弱者目線での必死な姿に共感を得るポイントがあることです。
大企業でも、子育て世代や、長距離通勤者に対して積極的な施策をとっている企業は賛同を得ています。企業の利益はもちろん追求しているでしょうが、それよりも弱者である従業員を守る姿勢をしっかり見せることで、批判をかわし、共感を得ることにつなげられます。
このように、組織活動においては、組織における弱者をしっかり守る意識を出すことで世間の好感度はあがり、逆に強者が既得権益を確保することで反感をかうこととなります。今のこの時期をうまくのりきってV字回復を目指すカギは、今は組織内の弱者を徹底して守ることにありそうです。

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2020年3月25日 (水曜日)

新しい取り組みはまず計画ありき

企業は内部留保をためこみ、若者は消費を控えるため、経済は思ったより成長しないこの時代。企業も若者も買うものはきちんと購入しています。この「買う」「買わない」を決める1つの基準は「感動」だと思われます。「感動」するものを買えば、その購入行為について共感の輪を広げ、関係性を拡張していけるからです。
テレビや新聞離れが進んでいるのは「感動」が不足しているからと思われます。逆にネットで新しい取り組みを発信する人は増え、その内容に感動の共感が広まれば爆発的に人気と利益を集めることが可能になっています。
「感動」が不足しているというのは、一言でいうとありきたり。ですので、「感動」を生じさせるには、これまでの常識に則って考えられなかったパラダイムシフトを起こして、社会に前向きな変化をもたせる(後ろ向きな悪口やビッグマウスだけではダメ)必要があります。
そして、こうした新しい取り組みをする際に大事なのが事業計画です。新しい取り組みだからどうなるか予想なんかできない、と言っていてはいきあたりばったりにしかなりません。その新しい取り組みを、スタート時点、半年後、1年後どうしていくのか精いっぱい計画を立て、それぞれの時点で差異修正していくことで、新しい取り組みは順調に伸びていくことが可能になります。
今の閉塞した状況は、新しい取り組みをすべき絶好の機会です。しっかり前向きな計画を立てて感動を呼ぶ活動できればきっとV字回復できますし、それをできるかできないかが逆転を起こす、起こされるかの分岐点でもあるように思います。

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2020年3月18日 (水曜日)

生き残る組織の条件

新型コロナによる自粛期間が長引けば長引くほど、企業間の格差が大きくなっていきます。
上位チームに共通する要素としては、内部留保などにより体力がある、コンティンジェンシープランが明確である、事業ポートフォリオの配分はしっかり行われておりリスクをうまく散らせている、事情の変化に弾力的かつ機敏に行動できている、従業員の気持ちをうまくコントロールできている、といったところでしょうか。何を言っているのかよくわからないという人はこの裏、下位チームにありがちな要素を見ていくとよいと思います。
1預貯金が少なく資金繰りがいっぱいいっぱい 有事に備えて蓄えをしておかないと、このような時に即倒産のおそれがあります。
2有事の際にどう組織体制を維持していくか事前に整理しておらず代表者の現場判断頼り こうした組織にはいたくありませんね
3儲かる分野一辺倒でやってきたため、急な変化に対応できない インバウンド頼みとか、観光客頼み一辺倒では今の時期しんどいと思います。方向性の異なる2~3本の経営の柱をもってリスクを分散しなければなりません
4外出自粛は、2月末の首相の呼びかけで始めた組織は大きいと思いますが、そこですぐ始めた企業と、新型コロナが拡散するまで少し待って対応した企業とは大きな差が生じています。決断すべきときはすぐに決断することが大事です
5従業員の不安や退職意思に寄り添わない まずい企業は従業員に混乱が生じても放置しがちです。完全に寄り添うことはできないまでも、優れた企業ではリーダーが適宜「大丈夫だ」「安心」といった言葉を従業員に投げかけ続けています。この差が離職率に影響することは言うまでもありません。
事件や事故は発生を予測できませんが、起きてから対応するのでは遅きに失します。普段、余力のない企業であっても、先手先手で有事対応の備えをしていくことが今後生き残る組織の最低条件となるように思います。

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2020年3月11日 (水曜日)

ストレスのかかる状態でのリーダーシップ

組織内のいじめ、各種ハラスメント、恒常的な悪口はどうして生じるのか研究・報道されることがあります。各家庭、教育方針は異なるため、まず家庭環境において、他人の悪口を言ってもよい、犯罪に至らなければ不快な思いをさせてもよい、さらには、やられる前にやる方が得、などということが当然になっている家庭もあるでしょう。これは極端にせよ、「自身にストレスがかかった時、これを別の人に転嫁することは1つのテクニックである」ということを明確に否定しない家庭は相当割合あるのではないでしょうか。
こうした家庭環境にある人たちが集まれば、当然、ストレスがかかった際にこれを他人に転嫁する組織文化が形成され、陰口に始まり、大人しい人や組織になじめていない人を標的にハラスメント、いじめと発展します。別に他人を攻撃することが本性の人たちばかりではないため、普段から陰口が横行しているというわけではないけれども、ストレスがかかると悪口が増えてくる、という組織はそれなりにあると推定されます。
ここで、せめて本人の耳に入らない陰口でとどめ、各種ハラスメントには発展しないようにするためには、リーダシップの発揮が不可欠です。普段問題ないからストレスがかかった時も自然解決する、と考えているようではどんどん問題は大きくなります。ストレスがかかるとこれを他人に転嫁する人たちですから、組織内でストレスをパスし続けて最終的に特定人に押し付けるか、下手をするとバカッターなどの形で社外に不満を発信して組織の信用失墜につながり得ます。
ここで発揮すべきリーダーシップは、ストレスを転嫁してもゼロサムゲームで結局自分に返ってくるか、誰かを傷つけるにすぎないことをしっかり理解させるとともに、理由を問わず、職位にかかわらず、最初の発生原因者の責任を指摘することです。たかがストレス、抱え込んで死ぬわけではありませんし、ストレスのパスが回りすぎて溜まりすぎると、最悪自殺事件などの問題に発生しかねません。ですので、些細なうちに自ら解決して外に出さないことを原則的ルールとし、組織の空気とすることがリーダーには必要で、おそらく昨今の、「仕事が減って不安だ」「外出自粛で楽しくない」といったストレスが増加しつつある時期にはなおさら、こうした基本的な組織の空気作りが大事になってきます。

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2020年3月 4日 (水曜日)

働き方改革は成功したか

昨年4月より本格的に開始した働き方改革。うまく活用できている企業、ほぼ現状維持の企業、まだ試行錯誤している企業と様々なようです。今日は働き方改革の本質について検討してみたいと思います。
日本の会社は、商品やサービスの質は一流だけれども、生産性は3流です。「〇時間しか寝ていない」と自慢する社員は世界広しといえども日本しかないかもしれません。今後、少子化で企業は間違いなく人材確保がどんどん困難になっていきます。こうした前提をふまえ、簡単に言えば、働き方改革とは、商品やサービスの「質を落とすことなく」、生産性を「向上させて」、社員は残業時間を減らすことによりクオリティ・オブ・ライフを向上させ、企業は残業代の削減や余剰人員のスリム化による持続可能な体制整備ができるようになります。すなわち、働き方改革で求められるのは、従前、たくさん残業して、のんびり、しかし丁寧にやっていた仕事を、しっかり効率化して早く丁寧にすべき原則で、要は各人のスキルアップが強く求められています。
うまくいっている企業は、この意識の社員への落とし込みが適切だったのでしょう。逆に試行錯誤している企業は、こうした本質をトップも社員もまだつかみきれていないのではないでしょうか。
現状維持の企業はその内容が肝心です。働き方改革を実行してもサービスの質を落とすことはできません。ですので、重要な仕事を任せている将来の幹部候補の残業時間はなかなか減らないでしょうし、かえってその他の社員の分の負担も抱えて増える可能性さえあります。ここは、残業時間の上限に留意しつつ、しかし、企業の将来の柱の育成に直結する部分ですので、サポートする姿勢も大事です。逆に、意識の低い社員の業務量を減らし、残業代をゼロに近づけていくことで、残業代総額のバランスもとれるでしょうし、意識の低い社員の業務量を減らして、そこで質の高い仕事ができるなら敗者復活の権利、できずに就業時間を空費するなら窓際行きの権利が与えられると明確にすれば、そうした層の社員がどうあるべきかもおのずと理解が深まるでしょう。
働き方改革は組織全体がレベルアップする1つの機会。新型コロナウィルス対策も合わせて、せっかくのチャンスですので、一度しっかり組織の在り方を考えてみてはいかがでしょうか。

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2020年2月26日 (水曜日)

作業余裕を残す?残さない?

国会議員の発言でも波紋を呼んだ、非正規雇用者の有給休暇。非正規雇用者にも有給休暇は間違いなくあり、ただ、勤務日数等により正規雇用者よりも少なくなり得ます。
これをふまえたうえで、今年大きな問題となっている新型コロナウィルス対策として、新型コロナウィルスと疑われる社員は自主的に有給休暇をとって拡散を予防しようという動きがあります。
まず、この予防ができない会社がレベル1。社員のキャパを目いっぱい活用して仕事をしてもらわないと業務が回らない会社は、上記の予防策を講じる余裕はありません。しかし、1人の社員の風邪が広まったらどうするのでしょうか。旧来の根性論で乗り切ろというのでしょうか。インフルでも同様でしょうか。コスト削減は至上命題であっても、やはりキャパいっぱいに業務を詰め込むのは危険です。
次に、社員のキャパは余裕があるが、早め早めの業務処理を心掛けるため、上記のような予防を良しとしない会社がレベル2。これも、旧来の根性論が根付いた会社で、ちょっとのことで休んでいては後が大変だと、休みをとらない空気が強い組織です。日本の旧来の会社はこうでしたが、そろそろ脱却が必要でしょう。
レベル2と同様のキャパ余裕で、風邪やちょっとした体調不良でも積極的に休みをとらせる会社がレベル3。ある程度コンプライアンスが高まると、従前は遠慮して社員がとらなかった有給を上から積極的にとるように勧めていくようになります。ある人にとってはただの風邪で業務に大した影響はなくとも、それが他の社員にうつっていくと組織としては結果的に大きな打撃を受けることになってしまいますので、風邪でも積極的に有給をとるよう指導するのは会社のためでもあります。
このさらに上があります。風邪等の時は自宅勤務とすることです。これにより、業務の遅れはほとんど生じず、風邪の伝播も防ぐことができます。もちろん、在宅ワークでは社員間のコミュニケーションが粗くなりがちですので、在宅ワークの環境が整っていたとしても常に認めるのは非効率ですが、風邪の時などにすぐに在宅ワークに切り替えられるよう準備しておくことは、地震や台風などの非常時にもネットがつながれば仕事は行える状態を確保していることであり、会社の耐久性は非常に高いです。
というわけで、有給は積極的にとらせつつ、さらに在宅ワークで業務時間を確保することを目指すというのが、新型コロナウィルスが示唆した我々の働き方の目指す道となります。

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2020年2月19日 (水曜日)

トップマネジメント+マネージャー+フォロワー

日本青年会議所とtwitterが提携したことについて批判的な意見が多いという報道がされていますが、私も日本青年会議所の活動にどっぷりつかった経験があるため、個人的な見解をまとめたいと思います。
どこの組織でも同様かと思いますが、組織には大きく3つの種類の人間がいます。リーダーとマネージャーとフォロワーです。青年会議所活動は報酬なく自費で行うものですが、リーダーは理事と呼ばれ、トップマネジメントを担う組織のいわば役員であり、本業よりも優先して、かなり高額の費用を自弁して動かなければならないため、最も人手不足のポジションであり、現役のリーダーは、先輩などあらゆるコネクションを生かして、後継者探しに奔走します。リーダーを輩出する企業は、将来の社長候補を人間的に成長させる目的で、会社の業務負担を軽減し、費用面でもできる限りのバックアップをするため、この層の会員は非常に意識が高く、コミュニケーションや意識づけにも積極的です。
マネージャーは、主に副委員長という名称で、実際のプロジェクトの細部を作りこみます。これだけでも負担は大きいのですが、プロジェクトにアサインされたフォロワーメンバーを意識づけ、適切な業務を任せてチーム仕事として仕上げる必要があるため、大変です。弁護士や税理士といった基本的に単独行動の多い職種の人間は、意識が高く、この役職を引き受けようとする人も多いのですが、どうしても自分でやってしまい、フォロワーメンバーを使いきれない難点があるとしばしば指摘されています。この役職はプロジェクト遂行のカギになりますが、それなりに担い手はおり、リーダー候補のように、人材探しに奔走しなければならないというわけではありません。
フォロワーメンバーはプロジェクトにアサインされて活動します。とはいえ、無償の活動であるため義務ではなく、全く連絡もとれないメンバー、飲み会だけしか参加しないメンバー、マネージャーのダメ出しだけするメンバー、用意されたマニュアルを無視して適当な活動をするメンバーなど様々です。ネットで批判された過去の事件は、おそらくこうしたメンバーが、用意されたマニュアルを無視して、自分の興味本位で暴走し、マネージャー以上がこれに対する監視をしきれなかった案件であると推察されます。では、こうしたメンバーを厳選すればよい、という話にはならず、垣根の低い組織であることで、広く会費を徴収することで、成立している組織です。
今回、日本青年会議所は、過去の課題を反省しつつ、前向きに社会に好影響を与える事業を行う意向です。青年会議所が前向きな活動を継続していく方法は大きく2つあります。1つは、フォロワーメンバーの管理をより厳格に行うこと、もう1つは、メンバーを厳選し、より小さい財政規模で手堅いプロジェクトを行うこと。前者を採用する場合、マネージャーに今まで以上の負担がかかることになりますが、マネージャーの活動の現場は「議案」と呼ばれるプロジェクト資料を準備に忙殺されるのが一般で、さらにフォロワーメンバーに対するきめ細かなケアができる人はそう多くないと思われます。
ただ、私もこの役職は何回も行っていますが、要は「やる気にむらがあるメンバー」という普通、会社にはいない層をどう扱うかを学べるところはほかにはなかなかなく、これを貴重な機会ととらえるか、無駄な機会と捉えるかの違いかと思います。願わくば、こうした面倒くさいメンバーの扱いに積極的に取り組み、よりよいプロジェクトを完遂しようとするマネージャーが増え、青年会議所がますます発展することを期待してやみません。

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2020年2月12日 (水曜日)

大義名分をうまく使おう

組織の構成員が増えれば増えるほど、全員一致の意思決定は難しくなります。最終的にはトップが判断し、「俺についてきてくれ」と呼びかけるしかないのですが、労働力が売手市場である今、あまりトップダウンで決定事項を押し付けると貴重な人材の流出が懸念されます。
話変わって、少し前までは「中国人客を受け入れるかどうか」という議論が飲食店や宿泊施設でありましたが、この議論はほぼなくなりました。差別がよくないとか、客を大事にすべきだという理由から中国人の拒否は許されないという人は多かったのですが、国が中国人の入国拒否を進めているため、中国人を拒否する大義名分が生じたからです。
このように、組織の意思決定をする際に、大義名分をうまく使うことは大事です。そうすることにより、意思決定の反対の構成員の組織への不満や反感を和らげることができるからです。
別の例を挙げましょう。近時、スーパーでレジ袋を無償配布するかしないか大きな議論があります。無償配布を維持すべきだという側の理由は、レジ袋をなくすとお客が減り、売り上げが減ると予測されることで、無償配布をやめるべきだという側の理由は環境保護や企業の社会責任です。おそらくこの議論が始まった当初にレジ袋を減らす意思決定をした組織は、かなりの逆風があったのではないかと推測されます。しかし、国際的にこの問題が大きくなり、レジ袋を減らす店舗が増えてくると、「我々も流れに乗らなければ」「ライバル店もレジ袋を減らすなら売上減少には大きく響かない」などといった意見が大きくなり、レジ袋配布撤廃の大義名分ができました。おそらくこのタイミングでレジ袋を減らす意思決定をしなければ社会の風潮には乗り遅れてしまうでしょう。
組織をうまく動かしていくということは、構成員をうまく動かしていくということ。そのためには、全員一致が不可能な局面で、賛同できない方向に歩かされる構成員をどう不満少なく動かすかが大事です。この目的で、社会の大きな流れだとか、大義名分といったものをうまく使って適切なタイミングを見図ることが今後ますます大事になっていくと考えられます。

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2020年2月 5日 (水曜日)

コンプライアンスは誰のために

番組改編第三弾。水曜日は従前の「組織の成長」と「逆転の一手」を組み合わせた内容を、できる限り実例を交えて紹介していきたいと思います。
企業は創業期はただひたすら目の前の業務をこなしていくことに必死ですが、その時期が落ち着くと、コンプライアンスを意識してルール作りをしっかりするようになります。コンプライアンス体制を整えるのは、従業員による会社財産の横領等の不正をなくしたり、将来的なIPOを意識してのことですが、現代的にはより重要な目的があります。マネジメント層主導の不正に対処することです。
昨年末よりゴーン氏の話題が再燃していますが、あれだけの大企業でも、経営者、それもトップに対する内部統制は困難で、トップ主導で内部統制を無効化する手段を講じられるとあっという間に企業不正は生じてしまい、その影響は従業員不正の比ではありません。そのため、企業が持続的に成長するためにはトップによる不正を何より防止する仕組みが必要です。
この点については、内部統制の最重要要素として経営者の倫理観が挙げられている関係で、内部監査人も会計監査人も経営者の倫理観にはしっかり着目します。しかし、内心の状態ですので傍目には判別しにくいものですし、仮に経営者の倫理観に問題ありと感じてもそれを指摘するのはなかなか大変です。
結局、経営者はコンプライアンス遵守を提唱することで、自らを戒め高い倫理観を改めて維持することを誓うことこそが、コンプライアンスの本当の目的になります。「経営者だから好きにやってよい」という倫理観では後続の組織に簡単に追い抜かれます。組織の勝負で逆転する側に妙手はあまりありませんが、転落する側には簡単な一手があるため、コンプライアンスを通じて自らの倫理観を戒められるリーダーであるかが、現代的にますます重要性をましていくでしょう。

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