2014年10月12日 (日曜日)

急がば回れ、利益よりまず優先すべきもの

4月の消費税増税から半年。今年上半期の営業成績が公表され始めました。
もちろん、どの業種も4月は駆け込み需要の反動で営業成績は落ちているのですが、すぐに回復した企業と、ずるずると業績を落とす企業に大きな差が表れています。
もちろん、営業成績は様々な企業努力の集大成なので、1つの要素の良し悪しだけで差がつくわけではありません。
しかし、食料品業界をある視点で見てみると、この差がついた原因のヒントが見えてきます。
直接利益、売上の増加を狙った企業は総じて失敗しがちです。利益のあがる店舗を増やせば利益が増える、と考えているのかもしれませんが、同一系列の店舗同士でのパイの奪い合い、市場への過剰供給による商品の陳腐化、店員の確保困難、店員に対する指導不行き届き、など様々な問題を増やしてしまうケースが散見されます。
逆に、業績が回復、好調な業者は、利益よりもまず「品質」にこだわっています。
顧客が欲しいと思う品質の高い商品を絶えず入れ替えしながら揃える、商品を買ってくれたお客も、そうでないお客も不満を持って店を出ることのないよう、店員に対する教育を徹底しているのです。
もちろん、品質向上にはコストがかかり、商品価格は高くなります。商品価格が高くなると販売数は減り、売上は下がります。
しかし、その努力が顧客の信頼を得、飽きさせないという中間成果につながり、次のステップで安定した利益確保につながります。
興味深い例は、ケンタッキーと王将です。ケンタッキーフライドチキンや王将の餃子は頻繁に食べたいと思うものではありません。しかし、国産の材料使用を明確に打ち出したことで、チキンや餃子を食べようと思った時に、真っ先に頭に浮かび、商品に対する信頼も抜群。店舗が街中にあふれているわけでもないので、「どこでも手に入る」という商品の陳腐化も生じません。結果、国産の材料使用により、間違いなく商品単価は上がり、販売数は減るのですが、顧客の信頼と高い関心を確保できるため、客足は安定し、その延長で安定した売上を確保することができるでしょう。
食料品については、今、安全性が最も関心を集めているため、顕著ですが、他の業界でも、利益という最終目標を得るためには、それをダイレクトに求めるのではなく、まずは商品の品質を極限まで高める事を考えた方がよさそうです。

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2013年11月18日 (月曜日)

夕方以降安くする理由

とある弁当チェーン店の前を通りかかると、夕方以降はお弁当が安くなるというシステムが広告されていました。
夕方以降なんてかきいれ時ではないのかと思いましたが、そう単純な話ではないようです。
お弁当屋の職員は大多数パートで、日中勤務。
ですので、日中にお弁当の具材を十分に作っておいたうえで、夕方以降は、それを詰めるだけの作業中心となるようで、夕方以降は作ったお弁当をいかにうりさばくかがポイントになります。
そういえば、スーパーも夕方以降、順次お弁当を値引きしていきますが、これも同じで、日中に作ったお弁当をうりさばくために、売れ残りのリスクを考えながら価格を下げていくという手法です。
しかし、夕方以降は、残業する会社員、残業を終えて遅くに帰る会社員、帰りが遅くなりすぐ食べられるものを用意したい兼業主婦など、お弁当のニーズは結構あり、これを店のパート勤務シフトの都合でどんどん安くするのは少しもったいない気がします。
少し工夫すれば、この値引きせざるをえない時間帯にうまく、仕事の忙しい人達に適度な価格でお弁当を販売できるのではないかと思います。
生産側の都合だけでなく、ニーズをふまえて少し工夫すれば良いビジネスモデルが生まれうる1つのポイントではないかと思いました。

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2013年11月 2日 (土曜日)

売上=客単価×回転数

高いものがなかなか売れない世の中なので、単価を下げて回転数を増やして売上を維持しようという試みが様々な業種でみられます。
人の数自体、減っているはずなので、回転数を増やすといっても簡単なことではないはずですが、きちんと戦略立てて仕組みを作り上げた店は、それなりに売上が回復しているようです。
以下は、私が考えた一例。
高級レストランの1万円のコース料理は、安定して客を呼び込むのがなかなか困難。
そこで、17時~19時まで、「帰りしなのちょっと1杯コース」、22時~24時まで「締めの1杯コース」を2~3000円程度で提供すると、「高級な店でちょっと飲みたいけれど、1万円は出せない」という層が興味を持ち、早い時間帯では居酒屋から、遅い時間帯ではラーメン屋から、顧客を奪うことができ、回転数で1テーブル1万円の売上を維持できそうです。
弁当屋やコンビニで暖かいお弁当が手に入る世の中で、わざわざ路上弁当屋の冷めたお弁当に600円もかける人はなかなかいません。
それならば、路上弁当屋の機動力を生かして、10時~11時すぎに、朝ごはんを食べ損ねた人向けの、「デスクで食べられる簡易早弁」を、14時~16時に、昼食を食べ損ねた層やちょっとブレイクタイムの人向けの「パンケーキセット」を、それぞれ300円程度で販売すると、回転数で目標売上を維持できるのではないでしょうか。
大切なのは、市場における自店の優位点を生かすこと。
その方法を考えるうえで、客単価を下げて回転数を増やして売上を維持するという考え方は結構応用の余地の広い方法かもしれません。

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2013年9月22日 (日曜日)

安さ勝負か、サービス付加か

家電量販店のはしごはしたことがないので、正直、家電量販店はどこも同じような商売をしていると思っていました。
今日、とある事情でとある駅前の大手家電量販店を2軒まわったところ、結構大きな差があり、びっくりしました。
A家電量販店は、圧倒的な品揃えが売り。
顧客の求める商品をできる限り余すところなく準備し、販売員も多数配置。
顧客が商品を物色している段階から販売員が積極的に話しかけ、顧客の予算の範囲で一番の商品を薦めることを徹底しており、サービス重視ながら、価格は「極限まで下げた」とは言い難い価格。
B家電量販店は、徹底的に安さを追求。販売員も少なく、商品は並んでいても品切れがしばしばある、しかし、他店の価格の証明があれば、必ずそれよりも安い価格で商品を販売してくれる。
どちらがこの厳しい市場で勝ち抜くかと問われれば、感覚的にはA家電量販店のような気がします。
顧客が真に求めるものは、価格だけではなく、価格を最重要要素とした、購買への納得です。
そうすると、欲しいものがあることが大前提で、ほしいものをそこそこに安い価格で購入できれば、顧客の納得感は十分満たされると思われるからです。
とはいえ、私は冷静に、両店で品物を見たうえで、欲しい商品をB家電量販店で購入しました。
少し工夫する余力があれば、A家電量販店で無料で情報を入手し、B家電量販店で最も安い価格で、商品を入手することができます。
そうすると、やはり時代を最後に勝ち抜くのは利益を確保できるギリギリの価格でうまく商品を売れる業者なのかもと、感じました。

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2013年7月16日 (火曜日)

見切り品の値引きは是か非か

スーパーは、閉店間際にお弁当などの見切り品を値下げします。
特に、お寿司の半額割引になろうものなら、消費者はおお助かりです。
コンビニは、フランチャイズ契約に基づいて値引き処理を禁止することは違法であるとの裁判例はありますが、まず見切り品の値下げ処理はせず、特に大量の未開封食品を廃棄処理します。
どちらがよいかは一概には言えないでしょう。
売上を上げるためにはどうすればよいか、という質問をされたコンサルが、「商品の廃棄ロスを減らすために、値引き販売をしてはどうか」と提案することも、「値引き処理をしても、定価で買ってくれる客が、値引きを待って買うケースが増えるから、むしろトータルの売上は下がるリスクがある」と提案することも両方ありえると思います。
見えるコストやロス削減を意識するなら前者で正解で、見えないコスト等の発生を予測してトータルで得する道を考えるのが後者です。
どちらが正しいかは、この条件だけでは判別できないでしょうが、見えるコスト等だけ対処してもダメだということははっきりしています。
見えるコスト等に対して最善の対策を講じれば、結果を伴わなくても、やれることはやったと勘違い納得をしてしまうおそれがあり、むしろ有害とさえいえるかもしれません。
何が最善の選択であるかは、判断が難しい場面が多く、とりわけこうした見えない要素の検証を要する場面が多いと思います。
自分一人でも答えらしいものを導くことができたとしても、謙虚に他人の意見を聞き、巨視的に物事を考えることを決して忘れてはならないということは、はっきり言えそうです。

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2013年7月12日 (金曜日)

工夫を軽く凌駕するブランド力

私の職場の近くには2つのコンビニがあります。
1つは大通りに面した業界5番手前後のAコンビニ。
もう1つは1本裏通りなる業界トップクラスのBコンビニ。
さて、どちらが流行っているかというと、昼休みにBコンビニに行くとレジ待ちの大行列。
決して店員が少ないわけではないですが、裏通りにあるにも関わらず、大盛況です。
あまりにレジが混んでいるので、Aコンビニに行くと、そこそこ客はいますが、行列というほどではありません。
人件費は同じくらい投資し、賃料はAコンビニの方が高いはず。
Aコンビニがその立地を選んだのは、客が店舗をみつけやすい、入りやすい立地を選び、広告効果を狙ったと思いますが、そんな工夫も、ブランド力の前では圧倒的な集客力の差を見せつけられるだけの結果で、私自身結構驚きました。
私がBにまず行って列に並ぶのが嫌でAに移動したのも、購入目的物がどこで買っても大差ない個性のない商品だったからで、おにぎりや弁当目当てだったら列に並んでBで買っていたでしょう。
ブランド力で劣る店舗は、より高いコストをかけて店舗を構えても、なかなかお客が来ず、来ても利益率の低い没個性商品しか買ってもらえないのだと思うと、大変この業界の厳しさを実感できます。
しかし、これがこれから生きぬく大ヒント。
平凡な商品を売っていては、結局「安さ」で個性を出すよりほかなく、必然、ジリ貧になります。
品種をしぼってでも、しっかり商品の個性を磨き、それをブランドにまで高めること、それが成功への最短距離なのでしょうし、同時に、それこそが経済停滞を打開する最善手でもあるのでしょう。

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2013年7月 9日 (火曜日)

東京と地方では商品の売り方が違う

東京で人気があり、店舗をどんどん増やしているお店でも、なかなか地方に出店しないケースが多いです。
いろいろな理由があるでしょうが、東京は人間の絶対数が多いので、良い商品を開発すれば、その存在が知れ渡るまでなんとか資金をつなげばある程度安定して経営できるメドがたちます。
しかし、地方では、良い商品でも安定して売れるか未知数な部分があります。
下手をすれば、自社商品の知名度があがる前に同業者に模倣されてしまうかもしれません。
そんなこんなで、東京で新しい店を出すのは計算できるが、地方で店を出すのはリスキーだ、と考える経営者が多いのでしょう。
大阪では、最近ターミナル駅周辺に大型ビルがどんどん建ち、そこに東京の有名店の関西初出店がしばしば見られます。
地元の人からすれば、そんな駅前の新築ビルは家賃が高く、なかなか手が出ないのですが、東京での成功実績を考えれば、家賃は決してネックではなく、むしろ確実に人が往来する好立地を確保する方が大事だと考えているようです。
今後、さらに地方に勢力を伸ばす際にも同様の手法が予測され、各地方の駅前再開発ビルが、これから東京の名店が地方進出する1つの拠点になっていくのでしょう。

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2013年4月30日 (火曜日)

安くていいもの

とある子ども向け教材のCMで時代の変化を感じました。
「余計なおまけなどないので、価格もお手頃」という誘い文句。
私が子どもの時はいかに、付録で子どもの関心をひいて、「子どもの関心」を決め手に教材を購入させる商法が主流でした。
親も、子どもが付録目当てでも勉強してくれればと思い、多少割高でも、多少学習教材としての質は落ちても、子どもの欲しがる教材を買い与えることが多かったのでしょう。
しかし、その付録をなくしてしまっても、「安い」方が商品としては売れやすい時代になったようです。
また、子ども向け教材であっても、購入を決定するのは子どもではなく親であるという傾向が強くなってきたのでしょう。
経済が低迷するこの時期、余計ば付録をつけて高く売ろうとする「おまけ商法」には限界があります。
消費者は誰も「安くていいもの」を欲しています。
なかなか自分の商品が売れないあるいはもっと売りたいという場合、自分の商品の中の「良い部分」を抜き出して商品化し、それを利益の出る範囲で値下げして売れば、爆発的に売れるかもしれません。

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2013年4月19日 (金曜日)

商品の魅力を再考すべし

マクドナルドが100円商品を値上げするそうです。
顧客としては少し残念ですが、現実には100円コーヒーだけで何時間もいすわる客が多いことを考えるとやむをえないでしょう。
このマクドナルドの方針には肯定意見なのですが、100円商品だけ買う客に「○○も一緒にいかがですか?」という勧誘をしているのを見た時は、マクドナルドの100円商品戦略に否定的になります。
もちろん、任意の勧誘の域を超えないよう十分な指導をしているのはわかりますが、100円商品だけ購入されては割に合わないのであれば、商品の価格を調整すべきで、安い商品で客を呼び込んで、利益率の高い商品をセットで購入させようとする戦略はフェアだとは感じられません。
高い商品を売るためには、安い商品とセットなどというせこい戦略ではなく、商品の魅力の作り込み、適正な利益率の再調査等によってなされるべきです。
その点で今回のマクドナルドの判断は賢明で、短期的には売り上げは落ちるでしょうが、長期的には確実に利益をあげる選択だったと思います。
儲けたければ、自分の商品の魅力をさらに引き出すことにコストを投じるべきということをしっかり認識しておかなければならないと思います

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2013年2月12日 (火曜日)

大は小を兼ねる販売戦略

連休なので、繁華街が賑わっています。
商店街の小さなお店ではなく、大型店舗に人が集まり、飛ぶようにモノが売れるのは大きな理由があります。
それは圧倒的な選択肢。
例えば携帯電話1つとってみても、消費者のニーズは、電話機能だけ備えた小型のものから、パソコンに極限まで近い機能を備えたものまで様々で、ネットや口コミでおおよその狙いをつけていても、大型店舗で現物を見ることにより自分が何を求めているのかがはっきりし、満足のいく購買活動ができます。
このような圧倒的な選択肢の前では、小規模小売店は、少し値下げをしたくらいでは到底太刀打ちできないでしょう。
この点から察するに、今の商売のポイントは、顧客の選択肢を徹底的に確保することにより、満足感を与えること。
商品数を増やせば、コストも増大するためその管理は必要ですが、特定少数の優れた商品だけで十分な営業ができる場合はともかく、そうでない場合は、取扱商品の幅をとことん広げ、それこそ、全種類コンプリートする勢いで取り揃え、考えうる顧客のあらゆるニーズに答えることも大事なのだと思います。
確実に売れ残る商品があっても、それが他の商品価値をあげ、全体として顧客満足度の高い店舗を作り上げていくことでしょう。

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