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2020年7月15日 (水曜日)

スーパー新人が組織を変える! は幻想

最近は見なくなりましたが、私が学生のころは、「弱小校に超中学級投手が入学していきなり甲子園出場」という高校野球漫画がありました。高校球児の夢を描いた漫画なのでしょうが、これは文字通り夢で、組織論を勉強していない人間の空想です。
「超中学級投手が入学してきた高校」の3年生、2年生はどうするでしょうか。向上心のない上級生は新人が作り出す「甲子園へ行こう」という空気をかき消しにかかります。「どうせできるわけがない」「頑張って失敗したら無駄」などと言い訳ばかりするこの層はどんな組織にもいます。ま前に進む組織ではこうした人を評価制度で窓際に追いやって優秀な新人を中心に据える工夫をこらせるのですが、年功序列の定着した組織では新人が組織を変えようとすることを良しとしないため、これが成長阻害要因になります。
次に、先輩が優秀な新人を中心とした成長を邪魔しないとしても、どこかで組織としての成長の足並みがそろわなくなり、中心に据えるべき新人の成長を回りが邪魔してしまいます。向上心自体は有していても、自分のペースを超えて年下のために頑張ることは普通の人間にはなかなかできないことです。
さらに、高校野球ではあまりないのかもしれませんが、世代トップクラスの逸材の噂は業界にはすぐに知れ渡り、そうした逸材にはより魅力的なオファーが多く来ることとなります。その結果、当初は初心貫徹で組織に忠誠を示していても、やがて魅力的なオファーと周囲とのギャップから大手組織に移るのは自然なことです。
以上を整理すると、中小組織が成長するためには、大型新人を獲得して大改革を目論むのではなく、組織の身の程にあったリーダー級を複数集めて、そうした複数のリーダーのシナジーとリスク分散を図っていく方がセオリーです。安易に大型新人が組織を変えてくれると思わず、今の組織に合った層のリーダーはどのレベルかを考え、そうした層の人材を集めていくことが組織の成長に不可避です。

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