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2020年4月 2日 (木曜日)

自粛要請の意味

自粛要請に対して「倒産しろというのか」という主張をする人がいますが、この主張は的外れです。今日は自粛要請の内容を整理していきたいと思います。自粛要請は当然、禁止命令ではなく、自発的に自粛してほしいというお願いであるため、従う義務はありません。しかし、不特定多数の人を室内に集めることには合理的なリスクがあるため、「比較的体力のある中規模以上の組織」は社会責任として率先して自粛に応じるべきです。これに反して著名人や大手団体がイベント等を強行しようとした場合は、大きな社会的非難を受けてしまいますが、それはルール違反を批判されているのではなく、社会責任を果たさずに自分さえ利益をあげればよいのか、という指摘の面が大きいでしょう。
これに対して、比較的体力のない小規模事業者、営業しないと社員に給料を払えず倒産してしまう、というような業者は営業する以外の選択肢はありませんし、これを批判する人もほぼいないと思います。
飲食店等に営業自粛を求めつつ、利用者にも自粛を求めるのはやはり飲食店を倒産に追い込んでいる、という意見もありますが、まず、営業自粛お対象は主に深夜営業の、バーやカラオケなどのサービス産業で、生活に必要な飲食店に対する規制ではありません。こうしたサービスは食事と異なり、必ずしも現在必要なものではないため、必然的に季節的な売上の変動があります。短期間の売上の変動は小規模事業者でも当然織り込んで事業計画を立てているはずなので、今しばらくは景気が底の時期であると考えて耐えてほしい、というのが最近の自粛要請の内容です。
また、利用者に対する自粛要請でもこれに応じない層からの一定のお客は存在し、中規模事業者以上が営業自粛し、体力のない業者だけの市場でのパイの取り合いになるのであれば営業努力で最低限度の売上を確保することが可能ではないかという視点もあるかと思います。
補償の話は当然国会で検討されているはずですが、補償するということは将来の増税があるということ。誰からどれほど税金を多く徴収し、それをどこに回すかはしっかり検討されるべき論点で多少の時間を要します。
まとめると、今の自粛要請で求められていることは、将来の増税を抑えるために、
・体力のある業者は今は我慢して、その我慢する姿で社会責任を果たしていることを訴求する
・体力のない業者は営業してよく、少ないが競業も減った市場でうまく工夫して生き延びる
・バーやカラオケの利用者は、自己責任で利用してもよいが、その責任は自分の身体だけでなく、電車等で近くにいる高齢者等にまで及ぶという自覚が必要
といったところでしょうか。誰も破産や死など求められていません。今の立場と状況に照らして、テレビでの通りいっぺんの説明にかかわらず、何を我慢して何はやってよいのか、しっかり考えることが今すべての人に求められています。

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