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2020年2月12日 (水曜日)

大義名分をうまく使おう

組織の構成員が増えれば増えるほど、全員一致の意思決定は難しくなります。最終的にはトップが判断し、「俺についてきてくれ」と呼びかけるしかないのですが、労働力が売手市場である今、あまりトップダウンで決定事項を押し付けると貴重な人材の流出が懸念されます。
話変わって、少し前までは「中国人客を受け入れるかどうか」という議論が飲食店や宿泊施設でありましたが、この議論はほぼなくなりました。差別がよくないとか、客を大事にすべきだという理由から中国人の拒否は許されないという人は多かったのですが、国が中国人の入国拒否を進めているため、中国人を拒否する大義名分が生じたからです。
このように、組織の意思決定をする際に、大義名分をうまく使うことは大事です。そうすることにより、意思決定の反対の構成員の組織への不満や反感を和らげることができるからです。
別の例を挙げましょう。近時、スーパーでレジ袋を無償配布するかしないか大きな議論があります。無償配布を維持すべきだという側の理由は、レジ袋をなくすとお客が減り、売り上げが減ると予測されることで、無償配布をやめるべきだという側の理由は環境保護や企業の社会責任です。おそらくこの議論が始まった当初にレジ袋を減らす意思決定をした組織は、かなりの逆風があったのではないかと推測されます。しかし、国際的にこの問題が大きくなり、レジ袋を減らす店舗が増えてくると、「我々も流れに乗らなければ」「ライバル店もレジ袋を減らすなら売上減少には大きく響かない」などといった意見が大きくなり、レジ袋配布撤廃の大義名分ができました。おそらくこのタイミングでレジ袋を減らす意思決定をしなければ社会の風潮には乗り遅れてしまうでしょう。
組織をうまく動かしていくということは、構成員をうまく動かしていくということ。そのためには、全員一致が不可能な局面で、賛同できない方向に歩かされる構成員をどう不満少なく動かすかが大事です。この目的で、社会の大きな流れだとか、大義名分といったものをうまく使って適切なタイミングを見図ることが今後ますます大事になっていくと考えられます。

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