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2019年7月11日 (木曜日)

二度目はないかもしれない

恋人や友人に不適切な対応をしたり、取引先に誤った態度を取ってしまったりして修羅場に追い込まれたことがある人は多いかもしれません。まず誠意ある謝罪により挽回のチャンスをもらえるよう努めることが不可欠ですが、頑張ってセカンドチャンスをもらってもここに逆転の一手がないことはしばしばあります。
わかりやすいのは、相手がもう許すつもりがないにもかかわらず体面や訴訟リスクをおそれてかたちだけセカンドチャンスを与えるケース。典型的なのは、ミスをした社員をクビにすることを決定しつつ、形だけセカンドチャンスを与えて、そこで成果をあげてもいちゃもんをつけて解雇するやり口です。1回のミスでは裁判上解雇の主張を通すのは困難ですが、セカンドチャンスを与えて、1回目と2回目を通じてそれなりの解雇理由があれば裁判は回避できる可能性が高まるからです。
このように確定的意志を持って形式的なチャンスを与える人はかなりのブラックですが、人間はブラックではなくとも、強いバイアスに支配されていることがままあります。最初の失敗で「こいつはもうダメだ」という強い先入観を持ち、相手の誠意ある謝罪自体には共感してチャンスを与えたが、よほどインパクトある成果を上げない限り、強い当初のバイアスが結論を決めてしまうわけです。
こうしたケースでは、逆転の一手はなく、したがって逆転を目指す努力はすべて水泡に帰します。客観的に一定の数値をクリアすることは、タイムリミットにひっかからなければ達成できますが、人の心を覆すという目標は達成不能である可能性が高いことは理解しておく必要があります。個人的には、上記のような強いバイアスを持つ人は社会において非常に迷惑だと感じつつも、人間だから仕方ないとも思います。ただ、相手の判断をどうこう言っても仕方ありません。勝てない勝負であれば早々に見切って次を目指すのがセオリー。そのセカンドチャンスの逆転の一手があるかはきちんと見極めるべきでしょう。

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