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2018年11月29日 (木曜日)

求めるのはやりたいこと?勝つこと?

ネットワーク外部性という概念があります。先発した者が先に圧倒的な利用者数を囲い込んでしまうと、それがさらなる強みとなってさらに格差が広がります。たとえばネット上で物を売買するシステム。第一人者であるメルカリが圧倒的なユーザーを獲得した後は、後発者がいかに努力してもその差は広がるばかりです。
弁護士業界でも、IoTブームに乗っかり、携帯から不特定多数の弁護士に法律相談できるシステムが複数の業者から提供されています。最初にこの仕組みを提供した業者は弁護士の登録を無料(もちろん相談者の登録も無料)として圧倒的な利用者を確保して、広告収入で安定経営をしているようです。他方で、後発者は弁護士に登録料を求めます。弁護士から(さらには相談者からも?)料金をもらって当面のキャッシュを確保しつつ、その資金をベースに差別化を図ろうとしているようですが、効果の不確実なシステムに金を払う弁護士は少なく、結局利用者は先発者の1人勝ちとなります。
このように、ネットワーク外部性が働く分野では、後発者が逆転する目はほぼありません。これは、逆転の目がないことに憤るのではなく、その他の分野で後発者に逆転のチャンスがあることをありがたく思うべき場面だと思います。そのうえで、後発者が考えるべきは、その市場で先発者と戦おうとするのではなく、新しい市場を探して、そこで1番になることを考えることです。
「せっかく良いビジネスモデルを考えたのだから何とか生き延びる道を考えたい」と思うかもしれませんが、大事なのはやりたいことをすることではなく、成功することのはずです。そうであれば、逆転の目がほぼない勝負からはさっさと手を引き、先発者が勝てる可能性の高い分野を先に開拓することに注力する方が目的を達成する確率が高いということになります。

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