« 強気に薄着?それとも安全に厚着? | トップページ | 優秀な新人の扱い方 »

2018年1月23日 (火曜日)

誰のための指摘?

裁判中、裁判長は傍聴人も含めて、法廷にいる人に様々な指摘な指示をします。その指示の中には被告人に対して非常に厳しい意見もあれば、弁護士や傍聴人に対して様々な要望をするものなどもあります。
裁判が正しいか否かは検証しようがありません。ですので、裁判官は常に公平で優れた人間性を持つ人だという信頼を得る努力が不可欠です。ここで、被告人等に対して厳しい意見をすることと、こうした信頼を得ることとが矛盾するのではないかという場面は時々あります。
この問題は裁判長が何の目的で発言したかと、その内容・程度によって解決されるものと思います。
裁判官は時に刑事事件で被告人を精神的に追い詰めるような意見や質問を投げかけます。これは、被告人に真に反省を促し、将来の犯罪抑止を意図したもので、必要な措置です。ですので、こうした言動があったとして、裁判長に対する人間的な信頼が損なわれることがありません。
しかし、将来の犯罪抑止目的ではなく、徒に被告人を追い詰める目的であったり、将来の犯罪抑止目的であっても、「死んだ方がよい」などという言葉が出てくると、裁判官に対する信頼は失われるでしょう。
要は、より良い裁判手続のために、相当な言葉で厳しいことを言うのはむしろ望まれるべきものであり、これらの要件を満たさない場合に厳しい事を言うのは危険だということです。
地裁の法廷でよくみかけるケースは、このようにより良い裁判のためではなく、自分の仕事処理のために、関係者に過度の要求をするケースです。
・独特の話し方をする証人に対して、「聞きにくいから普通に話しなさい」という。
・1つ1つ丁寧に質問を組み立てている代理人に対して、「まわりくどいので簡潔にまとめてください」と言う。
・独特のやり方やまわりくどいやり方にイライラしている様子を顔に出す。
・自分の想定する判決の論理の流れに強引に話を誘導する。
裁判官は効率よく事件を裁こうと考えての行動なのでしょうが、当事者側から見れば、「上から」であり、「案件を業務としてしか見ていない人だな」と感じてしまいます。
高裁でこのようなことはほとんどないので、それだけ、高裁と地裁とで、裁判官の成熟度が相当程度違うのだと感じます。
より良い成果のために、無茶なお願いや厳しい指摘をしても周囲は理解しますが、自分の仕事のためにこうした言動をすると疑問を感じられてしまいます。
弁護士も顧客に対して、自分の事件処理の都合で、無茶なお願いや厳しい依頼をしないよう気をつける意識をしっかり持たなければと思います。

|

« 強気に薄着?それとも安全に厚着? | トップページ | 優秀な新人の扱い方 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 誰のための指摘?:

« 強気に薄着?それとも安全に厚着? | トップページ | 優秀な新人の扱い方 »