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2017年11月 7日 (火曜日)

部分的に自分で解決する事の利点・欠点

紛争の相手方と複数の交渉事がある場合、そのうち自分で交渉できる事はやってしまい、残った厄介な部分だけを弁護士に依頼するというやり方があります。
この方法の長所は、タイムチャージでも成功報酬でも、弁護士の費用を縮小できることです。
しかし他方で、欠点もあります。自分でやってしまった部分と併せて交渉していれば、難しく弁護士に依頼した部分で有利な交渉ができるケースも結構あることです。
たとえば、離婚案件で、離婚と親権は当事者間で話し合って解決し、その後のお金の争いだけ弁護士に相談するケースはよくあります。この場合、こうすることで、離婚交渉に対する弁護士費用が発生しなくなるので、費用は安上がりです。
しかし、離婚後の金銭請求はなかなか容易ではありません。相手に最善の対応をされると1円もとれないケースはよくあります。このような場合、既に離婚が成立していると打つ手がありませんが、離婚前であると、離婚や親権、婚費などを交渉材料に慰謝料や解決金の交渉が可能になる場合もあります。
私はクライアントに最もコストパフォーマンスのよい提案をしますので、離婚前にこうした相談を受けると、両方のパターンで長所・短所を説明しますが、多くの弁護士は少しでも多くの報酬を得るために「全部任せてください」というでしょう。そのため、弁護士に依頼する前に依頼範囲を限定してしまう人が多いことは理解できます。
このように、自分でできることをやってしまって弁護士費用を抑えるのは賢いやり方の1つですが、難しい交渉が先にある場合、相手を揺さぶる材料が多い方が好ましく、あまり安易に部分的に合意しない方がよいでしょう。
こうした局面で有意義な判断ができるよう、弁護士が、自己の利益だけでなく、様々な可能性を想定した複数の選択肢を提案することがとても大事なのだと思います。

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