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2017年10月31日 (火曜日)

結論ありきまではいいのだが・・

法律相談をしていると、自分で勝手に結論を決めつけ、異論を述べる弁護士に反発する相談者がしばしばいます。決して好ましい相談者ではありませんが、私はただちにクレーマーだとは思わず冷静に対応します。
結論というものは証拠をふまえて双方当事者が納得して見出すもの、あるいは裁判官が決定するものですので、一方当事者が勝手に決められるものではありません。できればここは相談者にはき違えてもらいたくないのですが、時にそうでない人がいるのは仕方ありません。
勝算は低くても、相談者が一定の結論を求めるならば、弁護士はその結論を得るための最善策を一緒に考えるのが仕事ですので、このような場合一生懸命頭をひねります。
問題はここからで、弁護士が知恵をしぼって、相談者の求める結論に到る方策を捻り出したとき、2パターンの相談者がいます。
1つは、自分の求める結論への道筋が見えたこと、弁護士が一生懸命方策を考えてくれたことに素直に喜ぶ相談者。このような相談者に接すると、厄介な仕事であってもこちらも非常に達成感を感じます。
もう1つは、結論に達するのは当然だから、より楽で早くて安く済む方法を考えろと言ってきたり、結果に責任を持てという相談者。こういわれると私はその場でお引き取り願うことが多いです。
おそらく弁護士に相談に来る案件に、「簡単に解決できる」ものはほとんどないはずです。法律的な結論ははっきりしていても、相手にそれを受け入れさせるのが容易ではなかったり、交渉の中で迂闊な対応をすると立場が逆転してしまうようなケースなどいくらでもあります。
弁護士は、経験をふまえて、相談者が求める結論を出来る限り高い確率で得られるよう慎重かつ安定的な方法を提案しますが、そこに結論に至るのとは逆方向の油断や手抜きを持ち込もうとするなら、もはやサポートしきれないのです。
自分で結論を決めつけるところまでは、良くはないですがそれをフォローするのも弁護士の職務。しかし、その結論を得るやり方については弁護士の指導にしっかり従わなければ、その弁護士の継続的なサポートは得られない、ということはもう少し認知されるべきなのかと時々思います。

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