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2017年10月10日 (火曜日)

いくら頑張って考えても屁理屈は屁理屈

事件には常識的な相場というものがあります。
たとえば離婚の慰謝料はおおよそ100万円から、非常に悪質なもので300万円が相場。ですので、いくら感情的に納得がいかなくても、慰謝料を500万円とする理屈や、特段悪質な事情のない案件で慰謝料を300万円請求する理屈はありません。
とはいえ、事件処理は依頼者の要望に応じて組み立てるのが基本中の基本。相場から大きく離れた金額を希望された場合、その金額の裏付けとなる理屈をしっかり考え込まなければなりません。
ここで、過去の特殊な裁判例を持ち出して理屈を組み立てる弁護士は時々います。しかし、所詮、特殊な事例なので、実際の事例との違いはたくさんありますし、理屈づけも牽強付会なことが多いです。
知財の世界では、たとえばある発明が従来技術とは異なる新しいものであるかとか、ある商標が先行商標と似ているかといった争点があります。これについては裁判例も審判例もたくさんあるのでこれらを参考に、どちらの結論にもさまざまなアプローチで理屈を組み立てることが可能です。
つまり、どちらの結論にも一応の理屈はたっているのですが、今回の出願の内容と、先行する出願の内容とを見比べると、おおよそ常識的な結論は見えてくることが多く、結局これに反する理屈付けは、一見筋が通っているようで、結局屁理屈にすぎません。
事件の内容から一定の結論の相場が決まってしまうことはよくあることで、こうなると、いくら有利な結論を得ようと知恵をしぼっても屁理屈にしかなりません。
屁理屈を押し通しても、少なくとも裁判所では通用しないため、時間と費用と労力をかけて結局裁判所であるべき結論に落ち着くという損をしてしまいます。
依頼者の要望を叶える理屈を考えることは大事ですが、常識的な相場に外れた結論を導く理屈はいくら考えても屁理屈で、押しどころ・引きどころをうまく察知する能力が弁護士には求められます。

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