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2017年8月15日 (火曜日)

優秀なのはどっち?

痴漢冤罪リスクに対して、「痴漢冤罪のリスクは高いので、電車内では手をわかりやすい場所にあげておきましょう」と助言する弁護士がいると思います。この助言には不満の人は多いと見込まれ、「無実なんだから、多少費用はかかってもきっちり無実を証明してくれる優秀な弁護士が良い」という人は必ずいます。
与えられた事実に対して、法律を適用された結果を説明する。これは弁護士としての実務を1年ほど経験していれば、どの弁護士でもそれほど大きく外した回答はしません。ですので、これができることは弁護士が優秀であるか否かのバロメーターではありません。
ですので、一歩進んだ弁護士はコンサル型、すなわち想定されるリスクから権利や利益を守るためにベストと思われる選択肢を助言します。
しかし、自分に何ら落ち度はない以上、権利や利益は保護されて当然で、保護のために周囲に譲歩するのは嫌だと言い張る人は相当割合います。そうした人は明確な結果で弁護士を評価しようとしますが、私は結果は弁護士が優秀であるか否かのバロメーターではないと考えます。
どのような紛争であれ、こちらがあり、相手があり、場合によっては第三者がいます。紛争の解決はこのような2者以上の協働によってなされるもので、相手との相性などの影響も受け、必ずしも能力の高い弁護士が結果を出せるわけではありません。優秀な弁護士はそうでない弁護士よりも少し高い確率で結果をだせるかもしれない、というのがせいぜいでしょう。
ですので、「転ばぬ先の杖」。想定されりリスクを考えて、保険的に多少の費用や労力を投じて将来の権利を守る手立てを取っておくことが大事で、それを的確に分析して助言できる弁護士が優秀だといえるのです。
この助言は、法律の知識だけではうまくできません。様々な人生経験、また、不確定な将来を様々なパターンで予測する妄想力も不可欠です。
弁護士っぽい話をするのは、弁護士資格をとって比較的早い時期にできるようになります。しかし、その話の内実を備えるには、人としての相当な経験や苦労が不可欠で、その積み重ね量は、優秀さだということができるのかもしれません。

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