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2017年8月 8日 (火曜日)

慰謝料=破壊された権利を補うための加害者の資源

慰謝料の算定は弁護士にもなかなか難しく感じられるケースが時々あります。上場株式のように時価があればはっきりするのですが、そうでない場合、具体的事実に沿って適正な額を認定しなければなりません。
1つの考え方は、破壊された被害者の権利にどれほどの価値があるのか。たとえば家族が違法に保持していた麻薬を発見したので焼却処分したというような場合、その保持者には保護すべき権利はありませんので、損害賠償請求は成り立ちません。
よくあるのは、最近も某議員の不倫問題で話題になった婚姻関係の破たんの有無。不倫の慰謝料は、保護に値する夫婦関係が、不倫によって破壊された場合に生じるもの。したがって、不倫の時点で夫婦関係が破たんしていれば慰謝料は発生しませんし、不倫後も夫婦仲がびくともしなければやはり慰謝料は発生しません。
最近ではそれを見越して、「夫婦関係は破綻済だから不倫した。そうでなければしていない」というような言い訳をするのが半ばセオリーになってきましたが、この夫婦関係の実質的破綻は主張・立証がとても大変であることも理解しておいた方がよいと思います。
賠償すべき対象の権利は認定されるとして、慰謝料の実質的金額は、加害者側の立場から認定される判例が多いです。
よく言われるのは、同じ痴漢被害にあっても、相手が無職であるか、社長であるかで慰謝料の金額の桁が異なるというものがあります。これは、被害者の苦痛を慰藉するために、加害者がどれほど身を切るべきかという観点から慰謝料が算定されることによるジレンマです。
慰謝料に関しては、直感的な意見は誰でも簡単に言えますが、内容は非常に難しいもの。もし問題となるケースが生じたら、感覚的に考えしゃべる人よりも、理論的に考えて話せる人に相談した方が有意義な回答をもらえるのではないかと思います。

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