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2017年6月20日 (火曜日)

大阪高裁で逆転無罪が連発する理由

先週の週刊現代に、大阪高裁で逆転無罪が連発している事実とその背景についての記事がありました。
記事では、高裁裁判官に対するインタビューで、証拠を丁寧に読んでいて、違和感を感じた部分をつきつめたら無罪の心証になったということが理由にあげられていました。
私はこのブログでも何度も記事にしていますが、高裁の裁判官はとても優秀で尊敬している反面、地裁の裁判官は、特に特例明け間もない若手裁判官と、新司法試験合格からの裁判官は能力が不足していると感じているのもあり、高裁での逆転無罪案件の原因は地裁における審理不十分にあると感じています。
裁判官の中でも優秀な人は東京地裁に集められる、とはよく言われますが、大阪地裁に関してはそのような話はありません。
そして、すべての部とはいいませんが、大阪地裁の刑事部は、事件処理を合理的にするためか、結構、事件処理の全容・スケジュールを勝手に描いてしまう傾向があうように感じます。
刑事事件は、裁判官が予断を排除して、真っ白な心証から事件を裁くのが大原則。事件の内容は開けてみるまでわからず、開けて出てきたものを限られた時間の中で正確に処理するのが刑事裁判官の職務のはず。
しかし、大阪地裁の刑事部は、結構、証人尋問前や、公判前整理手続の段階で、勝手に裁判官が自己の経験から事件概要を描き、検察官と弁護人を誘導する、検察官は裁判官のいいなり、というケースが見られます。
その結果、裁判官が自らの経験に基づいて勝手に描いたシナリオを覆さないと、裁判官の想像通りの判決になってしまう、これが高裁で逆転無罪が続く理由だと私は思います。
このような状態は刑事訴訟法上決して望まれざることです。事件が多くて処理が大変なのであれば、刑事部を増やすべきですし、裁判官の能力不足があればきちんと内部での教育システムが見直されるべきです。
繰り返しますが、大阪地裁自体がこのような状態ではなく、一部の刑事部にこのような傾向があるというだけなのですが、大阪高裁でよそに比べて異常に高い原審破棄無罪率があるという事実は確かで、その原因が地裁にあるのではないかということは、近畿管内の地裁に認識いただきたいことです。

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