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2017年5月 2日 (火曜日)

裁判官は事件の内容を3割も理解していない。しかしその原因は?

我々弁護士も、依頼者から見れば事件の半分も理解せず、法律的に重要と考えるところだけ要領よく聞き出している、と思われているのかもしれません。そう感じたのは、特に地裁の裁判官に事件の全容を把握しようという姿勢が感じられず、短時間で要領よく事件をさばこうとしているように見えるからです。
判決を書くために必要な事情は裁判所のリーダーシップで比較的短時間でまとめるのかもしれない。しかし、裁判所は全く触れないけれど、結論を出すうえで重要な事情はもっとあるはずだが・・と感じることはよくあります。高裁の裁判官はさすがそれが長年の経験か、こちらが舌足らずな説明をした部分についても的確にそれを補い、きちんと考慮して判断してくれます。しかし、地裁の裁判官はこうした経験が足りないのか、結論を出すという自分の仕事の完遂のために余計な事に触れようとしない人が年々増えているようで、その結果、判決文を読んではっとさせられることも少なくなっています。
ただ、これを、地裁の裁判官の経験不足で片付けてはならないと思います。冒頭に書いたように我々弁護士も同様に事件解決に自分の尺度で必要と考える事情のみに注目して、依頼者の言い分に100%向き合えていないと思うからです。
弁護士が依頼者に100%向き合えておらず、事件の理解不足があれば、当然に裁判官には事件の内容は適切に伝わりません。裁判官が事件内容をしっかり理解せずに判決を書く原因は、弁護士の、クライアントおよび裁判所とのコミュニケーションの不十分にあるというべきでしょう。
一般に、事件が起きた(当方側の)原因はあまり事件解決のために掘り下げて検討しません。事件の解決のために有益な示唆を与えることが少ないからです。しかし、それに触れないことには、事件の本質を理解できなかったり、相手との歩み寄りができなかったり、適切な事件の解決の阻害要因となってしまう可能性があります。
私は、事件処理を、単に目先の障害を取り除くだけでなく、クライアントとともに、将来に向けて成長する機会にしたいと常々考えています。
要領よく多数の事件をこなすことはできても、それはこの目標とは正反対の方向。目先の効率ではなく、将来に向けたマクロな効率を考えて、事情聴取のやり方を考え直したいと考えています。

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