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2017年5月23日 (火曜日)

他人物売買は合法ですが・・

今話題のメルカリでは、手元に現在ない商品の出品、すなわち、安く仕入れるルートを持っていて、メルカリで成約後に商品を安く仕入れて発送するというやり方は禁止されています。
直感的にこのような方法はダメだとも考えられますが、民法上は他人物売買は有効で、他人物売買契約が成立すると、売主は契約の対象の商品を入手して買主に引き渡す義務が生じ、できなければ契約解除や損害賠償のペナルティが生じます。
このように、契約成立後に商品を安く仕入れて発送するというのは民法上何ら問題となるものではありません。しかし、なぜメルカリがこれを認めないかというと、様々なトラブル発生が想定でき、原則はトラブル解決は当事者間に任せるとしても、それでも対処を要するトラブル対応が大きなものとなると判断したからでしょう。
メルカリをはじめとして、ネット上で物を売買できることにより、おそらくこれからリサイクルショップや古本屋はどんどん淘汰されていきます。同時に、価格についてもリサイクルショップや古本屋での店頭価格よりも少し高めで取引される傾向が続くと予想されます。それは、お店まで買いに行って、希望の商品がみつからない空振りのコストがかからなくなる分、多少割高でも構わないという判断が生じるからです。
しかし、ネット上の見知らぬ人との取引。相手に対する信用は一定以上には高まらず、クレームも対面取引よりも発生する確率は高くなるでしょう。このような環境下では、対面取引を前提とした現行の民法がそのまま適用できない場面があることはうなずけます。
我々弁護士は資格をとるために必死で民法を勉強してきました。しかし、ネット社会で妥当するのは、民法と似て僅かに非なる新しい枠組みが要求されるのかもしれません。
そうだとしても、急にネット取引にかかる民法の特則などが定められるとは考えにくいですが、現行法をベースにしつつ、事案に応じた丁寧で深い検討がこれからの社会でますます要求されうのだろうと感じます。

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