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2017年4月11日 (火曜日)

事実でも証明は難しい

先月末より、INPITによるタイムスタンプ保管サービスが開始しました。このサービス、業者が発行したタイムスタンプトークンを保管することにより、その時点で当該情報があった(保有していた)ことを証明する手段として期待されています。
ある時点で、情報や物や事象があったのならば、その証明は難しくないだろう、とは一般人がよく口にする言葉ですが、実際はそう簡単な話ではありません。
あるアイディアを過去に有していたが、特許出願をしなかったところ、他社がそのアイディアで特許を取得してしまった場合、自社が他社の特許出願前にそのアイディアを有していたことを証明できなければ、特許権侵害を問われかねません。当該アイディアを記載した文書は残っていたとしても、その文書がいつ作成されたか証明するのは困難です。(たとえば、ワードファイルのプロパティの更新日時では全く証明となりません)。
商標権は3年間使用しなければ取り消されますが、過去3年間に使用していても、その使用の事実、特に使用の日時を証明するのはとても難しいです。デジカメの写真は全く証明にはなりません。
事実があるから大丈夫、とついつい油断しがちですが、あった事実を証明するのは実は以外に難しく、知的財産の分野ではその証明ができなければ大きな打撃を被りかねないケースは多々あります。
我々は大事な文書をパソコンで作成する際、こまめに上書きして、バックアップもとります。上書きやバックアップの手間は小さく、逆にその文書の喪失が痛すぎるからです。
事実の証明も、できなければ痛すぎるものがあります。こうして、ファイルの上書きのように、比較的手間がかからない方法があるのであれば、どんどん使うべきでしょう。
ある時点で何があったかを証明することの困難さが周知され、その対策を講じるようになる、こうした当たり前のことができていないため、日本人は営業秘密や知的財産権利などで痛い目にあってきましたが、この制度を1つの契機として、意識改革が進んでほしいと思います。

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