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2017年3月31日 (金曜日)

法律論の覆し方

ある程度のベテラン裁判官は総じて弁護士よりも多数の裁判例を知っています。ですので、事件記録を読んですぐに自分で事件解決の筋道を描き、法律論についてもどのような議論が出てどう判断するか、早い段階でイメージを持ってしまいます。
時々自信過剰な弁護士も、あまり多くの裁判例を知らないにも関わらず、自分で勝手に法律論を終局まで描いてしまいます。
こうした裁判官や弁護士を相手に、法律論を覆そうとする場合、最初はあまり強く反駁しない方がよい場合が結構あります。
もちろん、自ら正しいと主張する法律構成を述べるのは必須です。しかし、相手は既に勝手に絵を描いてしまっているので、早い段階でこれを覆すのは難しく、また、これを揺るがすことができても、日を改めた次回期日ではもとにもどっていることも多いです。
また、相手は自分が正しいと信じきっているので、それに反する言動を繰り返すと、「こいつは低レベルだ」というバイアスが生じてしまうかもしれません。
このような場合、序盤は相手のペースにのっかってスムーズに話を進め、判断のなされる佳境の場面で、こちらの言い分の根拠よりも、相手の考え方を採用することに伴う不都合を提示するのが有効な場合が結構あります。
特に裁判官は完璧主義な人が多く、不安を残す判断を嫌がるケースが結構あるため、相手の自信を揺るがせれば、判断を覆すチャンスが生じます。
法律家に限らず、人は誰も「100%でない事について過剰に自信を持っている」場合がしばしばあります。この自信を崩すのは容易ではなく、まず適切な時期を見極めるべきで、闇雲に意見するだけではなかなか解決しません。
そして、その相手には押すのが良いのか引くのが良いのか、序盤は相手を観察して、的確な一手を勝負所で放つのが有効です。
焦らず、しっかり最善の一手と最善のタイミングを見極めることも、議論の逆転に不可欠な要素であるといえるでしょう。

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