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2017年1月31日 (火曜日)

弁護士・弁理士が解説する。商標の確実な抑え方

「PPAP」を無関係の会社が先に商標出願したというニュースが話題になりました。この業者とその代表者である元弁理士は業界では有名で、ネットの検索ワードなどからヒットしそうなワードをことごとく商標出願し、高値で本来の使用者に売りつける非常に厄介な存在です。
さらに問題なのは、多数の出願をばらまく反面で、出願の費用は一切支払わない。すなわち、商標権の保全をただでする反面で、特許庁は多大な業務を無償ですることを強いられ、本来の使用者は商標の使用を制限されてしまうという状態で、大きな問題であることが指摘されています。
現行法上、直接この会社または代表者の出願に歯止めをかけるのは困難なので、現時点ではいかに、自分が保有すべき商標を確実に確保するかが重要で、その点をまとめたいと思います。
1 ヒットが確実視される商品名称
商品が確実に売れることが見込まれ、絶対に商標権を確保しなければならない場合、商品の発表よりもかなり先に商標出願を済ませてしまいます。
たとえば、昨年夏にダウンロード開始したポケモンGOは、その前年の秋に商標出願されていますし、ドラゴンクエストの最新タイトルなども、メディア発表よりもかなり前に商標出願されています。
このような名称については、名称の決定自体が経営判断とされ、決定された名称をきちんと営業秘密として厳重に保持し、早めに出願を済ませてしまうという手法が一般的です。
2 ヒットするかわからない商品名称
とはいえ、自分では良い作品だと思っていても、ヒットするかどうかわからないというケースの方が多いでしょう。この場合、商標出願より前に商品販売を始めざるをえません。
そうすると、商品公表の瞬間から誰もがその名称の商標出願が可能となります。この場合、予め弁理士に相談しておき、自分でいけると判断した際、電話やメール1本ですぐに出願手続を開始できる状態にしておくのが常套手段です。
商標の出願は、数時間程度あれば十分できますので、たとえば商品発売日の午前中の動向を見て昼に弁理士に出願依頼すれば、その日中に出願手続を済ませることは可能です。
3 もし先願があった場合
自分が使用する名称について、先に商標出願があった場合、先願主義ですので、相手が優先され、自分は商標をとることができません。この場合、相手に譲渡を求めるか、相手がその商標権を3年以上使用していなければ取消を求めたりします。
しかし、今回のPPAPを先に出願した業者はかなり悪質で高額をふっかけてきます。そのような商売を成り立たせてはますますこのような事件が増えていくため、弁理士業界ではこの業者およびその代表者と取引すべきではないという意見が大勢です。
この場合、とりあえず後願でも商標出願します。するとこの業者から高額での譲渡の打診があるかもしれませんが、それは無視します。この業者およびその代表者は原則として出願費用を支払わないので、少し時間が経過したらその先願が却下されて、自分の出願が通るという場合も結構あります。
そうならず、この業者または代表者が出願費用を支払って商標登録を得てしまった場合、厄介ですが、いろいろ理由を考えてその商標登録の無効を主張していく必要があります。
いずれのケースでも、商標出願はスピードが大事。将来商標権をとるかもしれない案件については早めに弁理士と相談し、電話やメール1本ですぐに動ける体制を整えておくことが肝要です。

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