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2017年1月24日 (火曜日)

瑕疵のない合意をめぐる攻防

一度なした合意は瑕疵がなければ双方の合意によらなければ解消できません。小学生でも知っている理屈です。最近では首脳同士でなした国家間合意でさえ覆そうとするおかしな国の話も取り上げられていますが、双方首脳の代表権に瑕疵がない以上、この合意が覆る理屈はありません。
このような瑕疵のない合意がある場合、合意の成立を主張する側が圧倒的に有利です。が、必ずしも簡単に目的達成ができるわけではないケースも多いです。
合意の存在を争われた場合、相手に任意でその合意内容の履行を求めるのは困難です。裁判で勝訴して強制執行という手段はありますが、往々にして感情的にごねて問題となる合意条項は強制執行に適さないものも多く、救済手段がない可能性もあります。
また、確実に成立した合意なので、できる限り時間と費用をかけずに履行を促したい、という意向が生じるのも当然で、ますますとり得る手段は少なくなります。
逆に合意の存在を争う側、合意をなくしたい側は、基本的には勝つ手段はありません。粘り強く争って相手の根負けや相手の弱みをみつけてつけこむくらいでしょうか。
段階的に合意を収縮させていく方法も時に考えられます。たとえばある社員を解雇したいが十分な解雇理由がなく訴訟になると負けてしまう場合、いきなり雇用契約を終了させるのは困難ですが、実績に応じた減給や配置転換は可能な場合があり、このように少しずつ合意内容を小さくしていき最終的にゼロにするという手段は気づきにくいですが、あるにはあります。
瑕疵のない合意は守らなければいけない。それは当然ですが、合意の存在ですべて簡単に決するわけではなく、いかに合意内容をスムーズに履行させるか、いかに合意内容を履行せずに済ませるか、合意する前から綿密に作戦を練り上げることが必要で、法治社会を賢く生きる術であると考えられます。

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