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2016年12月27日 (火曜日)

可視化された取り調べの活用方法

被告人の自白にどれほどの意味があるのか、主に裁判員にわかりやすい証拠を保全するために、取り調べの可視可が進められています。
これは取り調べの様子をカメラにおさめ、供述調書を作成する際に、暴行など不当な働きかけがなかったか判断するために有用です。
しかし、事実と異なる供述をおさめた調書を作成してしまったという場合、ある一瞬のある働きかけで急に態度が変わるというケースはあまりありませんし、警察も自らカメラ撮影しておきながら、その前でおかしなことをするほど馬鹿ではありません。
長時間にわたる軽微な精神攻撃の連続や、ビデオ外でちらりとささやいた一言が被告人の態度を変えるきかっけになったりもします。
取り調べビデオは一応、どの調書を作成するための取り調べであるかタイトルが付されていますが、対象の調書の取り調べの中で不当な働きかけがあったとは限らず、結局すべてをチェックしなければいけません。
取り調べの様子はカメラに収められているとしても、仮に1日3時間の取り調べが最大勾留機関である20日間行われたとすれば60時間。実際にはもっと多くの時間取り調べが行われており、それをずっと集中して視聴し、警察の不適切な取り調べをすべて抜き出すのは非常に困難です。
これに対処するには、短時間でもマメに被告人と接見し、その議事録をしっかり作成して被告人に差し入れてその確認を得ておくことが有効です。
どの段階まで何を話していて、どの段階で供述が変わったのか、その転換点がわかるだけでも、可視可された取り調べをチェックする部分を特定できます。
街中の犯行現場に防犯カメラがあって、それを全部見れば犯人がわかるとしても、おおよそ何時ころというのがわからなければ膨大な手間を要し、場合によってはその時間のロスの間に他の証拠が散逸してしまうかもしれません。
デジタル社会で多くの映像が残るというのはありがたい話ですが、これはわかりやすい証拠が得られ得るという程度に考え、映像の存在に依存し過ぎず、アナログでしっかり情報を集めて整理していくという意識を忘れてはならないでしょう。

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