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2016年7月 5日 (火曜日)

契約締結に対する意識を高めよ

最近大きく報道されているアダルトビデオ出演強制事件。この事件、少し本質と離れた点がポイントとなっています。
この事件の本質は、モデル契約締結時に①アダルトビデオ出演が業務に含まれる事が明示されていたか②モデル側に業務を選ぶ権利の有無が明示されていたか、です。
おそらくその明示がなかったことが最大の問題点であり、仮に口頭であってもその明示があったうえで、モデル側が契約したのであればその立場はかなり不利になるでしょう。
しかし、残念ながらこの点を直接規制する法律はなく、おそらく今後も新たな法律が制定されることは考えにくいです。しかし、何らかのかたちで救済しなければならない。そこで持ち出されたのが人材派遣上の違法というわけです。
さて、契約締結段階の手続を規制する法律ができないのは、契約締結は私的自治の範囲内で、様々な形式のやり方があるうえ、その責任は各自が負うべきだからです。
口約束も立派な契約です。しかし、口約束は立証の負担を契約の成立を主張する側が負い、契約の成立を否定したい側は、口約束であるということは理由として使えないという負担があります。
きちんと契約していない事項については何ら強制されるいわれはありません。しかし、内容を十分理解できる環境で(本人が理解しているか否かは別として)締結した契約は、仮に後から自分に不利益なものが含まれていても、その不利益な部分だけ、あるいは契約全体を取り消すことは原則できません。
契約締結に対する法の保護が限定的である以上、この点は各自が意識を高めなければいけないところです。
・契約締結前に、難しい文章であっても必ず全部読む
・わからない点があったら捺印する前に質問する
・口約束はせず必ず文章化する
・必ず契約書写しをもらい保管する
最低限これくらいはきちんとすべきで、「契約を勝ち取らなければいけないから、そこまで強く言えない」という言い訳は固く排する必要があるでしょう。

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