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2016年4月 8日 (金曜日)

下手をうつから逆転される

能力不足の従業員を退職させたい、という相談は一定数あります。
弁護士のもとに相談に来るまでに既に打たれている手としては、辞めさせたい従業員に対してパワハラを仕掛け、自発的な辞職を促す行為です。
気の弱い従業員で、それで辞めてくれれば会社としてはそれが最も手っ取り早いのですが、その従業員が弁護士を立てて反発したり、SNS等でパワハラの実態を公表するなどすると、逆に会社は痛い目を見ます。
ですので、これははっきりとした悪手で弁護士から勧めることはありません。
もう1つの悪手は給料を下げること。
下げた給料にその従業員が納得しなければやはり不利な法廷闘争に発展するリスクがありますし、従業員が納得すると、その後、下げた給料に見合った働きをした場合、その従業員を解雇するのは困難です。
日本の労働法は従業員を厚く保護しているので、能力不足で従業員を解雇するのはなかなか困難です。
裁判で雇用主側が有利に話を進めるためには、いかに従業員が「給料泥棒」であるかを細かく主張・立証しなければいけません。
給料に見合った働きができていない従業員に対しては、給料を下げるのではなく、現状を維持したまま、①現在給料に見合った働きができていないことの認識を共有、②どうすれば給料に見合った働きができるか協議、③従業員の意向もふまえた配置転換、④それでも給料に見合った働きができない、ここまでくれば裁判も交渉も有利に進められるでしょう。
というわけで、能力不足の従業員相手の労働紛争は、最初は雇用主が不利ですが、時間の経過により、どこかで自然と逆転します。それを焦ってパワハラや減給に走ってしまうと逆転できる勝負も逆転できなくなってしまいます。
真面目に活動する方が最後に勝つ。労働紛争はなかなか粋な一面を持っていると感じます。

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