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2016年3月15日 (火曜日)

平成28年3月1日最高裁判決から読み取れること

3月1日に最高裁が画期的な判決をしました。痴呆を患った男性が線路に侵入して列車運行等に支障を生じさせて生じた損害について、その男性の面倒を見ていた家族が賠償責任を負うかという争点につき、高裁は賠償責任を認めましたが、最高裁はこれを否定しました。
最高裁の判断の理屈は①民法752条は責任無能力の家族がその監督義務者となることの直接の根拠とはならない、②具体的事情に照らして本件の家族が痴呆を患った男性の監督義務者であると認定することはできない、というもので、私には結論も理由づけも非常にはっきりしたものであるように感じます。
さて、この判決については、決して表面的な結論や判示だけおいかけていてはいけないと思います。
この家族、男性が痴呆を患ったことにより、特別養護老人ホームに入所させることも検討したが、その選択肢自体、大きな現代的問題を抱えていること。
男性を保護すべく、約1年間にわたり様々な対策を必死で講じたが、ちょっとした隙が生じた際に起きてしまった事件であること。
などは、文面で認定されている以上に過酷な実情であることが容易に推察できますし、どこの家族将来生じうることではないかと思います。
痴呆に罹患したらホームに入所させておけばよい、そんな簡単な問題でない事は誰でも理解できることですが、では、この問題をどう解決するのかというと、非常に悩ましいです。
自らが痴呆となった場合、自分はどう生きたいか、家族にどう生きてほしいか、家族が痴呆となった場合、自分ははどう生きたいか、家族にどう生きてほしいか。
社会の大きな問題であることが共通認識として深まり、少しでも多くの人が納得できる仕組みの試行錯誤が今後続いていってほしいと切に願います。

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