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2016年2月 2日 (火曜日)

急に方針が変わった事件で着目すべきポイント

号泣県議の事件の裁判のように、それまで事実関係を認めていたはずが法廷でいきなり主張を変えるケースは決して多くはないものの、それなりの数あります。
弁護人としては、このような場合、丁寧に被告人の意図を理解し、虚偽の主張をしない範囲で被告人の主張を最大限に代弁していく必要があります。
それまで自白していたが法廷でいきなり否認に転じたというケースは一般人から見るとビックリすることかもしれませんが、それだけでは特に裁判手続に大きな影響はありません。
自白していた段階で十分な証拠を検察側が抑えてしまっているからです。
警察に誘導されて意図に反した供述調書を作成した、供述調書作成時は精神不安定だったなどといまさら述べても、それを述べただけで供述調書の信用性が覆されるわけではないので、そのまま粛々と裁判が進められ、有罪判決がなされる可能性が高いでしょう。
刑事事件では立証責任は検察側にありますが、自白から否認に転じる場合、弁護側が積極的に自白時の証拠の信用性を覆す必要があり、これは事実上一定の立証責任が移転したといえる状態かもしれません。
本人が無罪だと主張しているのに、弁護人が有罪だとは絶対に言えませんので、弁護人も無罪だと主張するのですが、着目すべきはその後。
ただ被告人に無罪だと話させるだけでは検察が保有している証拠は覆らないので結論も覆りません。
本気で無罪だと考え活動する弁護人は何らかの新証拠を出して検察の証拠を揺さぶります。
無罪だと言うのは簡単ですが、それだけでは基本的な流れは何も変わりません。流れを変える何かが出てくるか否かこそがこうした事件で最も注目すべきポイントだといえるでしょう。

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