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2016年2月 9日 (火曜日)

i:naとe-naを見分けられる?

知財高裁の1月28日の判決です。
i:naという商標の登録出願をした企業に対し、特許庁はe-naと類似しているので登録不可と判断しましたが、知財高裁はこれを覆し、両者は似ていないとしました。
正確な図は以下のとおり。
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この判決、ぱっと見特許庁の凡ミスのように見えます。
称呼(呼んだ際の音)が「イーナ」で一致するから両者は一致という理屈は昭和時代の判例の傾向で、近時のネット社会では称呼よりも外観の差が重視され、かつ、特徴的な違いがあれば消費者は見分けられるので非類似とする傾向が主流です。
本件では、ぱっと見大きく異なるので、それなりに近時の判例を勉強している人であれば非類似と判断する人が多いはずです。
ではなぜ特許庁が凡ミスを疑われるような判断をしたのか。
以下は私の推測ですが、本件は日用品を指定商品とした出願であり、日用品は主として小売店舗に消費者が実際に足を運んで購入するケースが多いです。
この場合、店員に「イーナありますか?」と尋ねるなど、称呼で商品検索する人も多い事や、こうした一般消費者の中には依然として「同じ呼び名を含む商品は系列商品だ」と考える人が少なくないと予測されること、などを過大に考慮したのではないかと思います。
そうでなければ、審査・審判段階の代理人の主張が甘すぎたのかもしれません。
判例の傾向に沿えば、i:naとe-naは非類似と判断される可能性が圧倒的に高い、しかし、一般の、それも日用品を小売店で購入する比較的注意力の低めの消費者がこれらをきちんと判別できるかどうかは、日常社会の中でしっかり動向を見ていかなければならないところだと思います。

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