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2011年3月 9日 (水曜日)

もう一歩掘り下げよう。でも、断るべきものは断ろう。

相談者の話を聞く限りでは、見通しのよくない事件の場合、当然、そのことを相談者に説明します。
その際、相談者に落ち度があるような言い方や、相談者に二次損害を与えてしまうような言い方をしないように気をつけます。
ここまでは、基本であり、誰が担当しても同じでしょう。
ところが、相談者は、おかしいと思うから弁護士に相談に来ているのであり、中には、「おかしい=絶対勝てる」と思い込んでいる方もいます。
そうした方は、何か別の手段はないか、とか、弁護士の力でなんとかしてほしい、としつこく頼んできます。
紛争リスクを避けるのであれば、ここでうまく話を切るのがよいですが、それは他の弁護士へのたらいまわしになるだけですし、人間的にも冷たい感じがしますので、むげに断るのではなく、話を聞いてあげるべきだと私は思います。
社会的におかしいことは、法律の適用場面では、裁判官もくみとってくれる可能性がありますので、過去の裁判例などを、自分の勉強がてら研究してみるのは、決してお互いに無駄なことではありません。
大事なのは、「弁護士の力でなんとかしてほしい」という、丸投げに対し、「和解でなんとかなるだろう」と、十分な見通しなく、安易に引き受けないことです。
そして、相談者の話を聞けば聞くほど、断るのが困難になるため、気をつける必要があります。
なんとかしてあげたい、なんとかなるだろう、と思う案件はとりあえず受任して精一杯やろう、とこの時点では思いますが、しっかりとした見通しがなければ、将来の紛争のもとで、お互いに不利益な結果を招来しかねません。
従前、弁護士業界は見通しのよい案件だけ受任し、見通しのよくない事件は、いろいろ理由をつけて断る傾向があたたっため、こうした問題はそれほど多くなかったのかもしれませんが、昨今の仕事争奪戦状態では、こうした優良案件が十分にまわってこなくなったのも事実です。
弁護士を増やした目的は、「はっきりとした見通しが見えない」という理由でたらいまわしにされていた相談者の受け手として、より掘り下げた検討をして、見通しを立てる弁護士を確保することです。
よくわからんな、という事件を、自分の勉強をかねてもう1歩掘り下げて考えてみることと、見通しの悪い事件はきっぱりと断ること、この2点が今後非常に大切になってくると思います。

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