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2011年3月 5日 (土曜日)

不当な要求とは

不当な要求とは何でしょうか。
わかりやすい答えとしては、「法律上根拠のない請求」です。
しかし、法律上根拠があるかどうかは、裁判で判決が出るまでわからないことがあります。
そこで、「相応の根拠があるとは思えない請求」というのはどうでしょうか。
交渉では、当事者がお互いに要望を出し合います。
Aを事件被害者、Bを事件加害者として、
A:慰謝料を100万円支払ってほしい。
B:判例によれば、慰謝料はせいぜい10万円だ。それよりも、おたくにも非があるから50%の過失相殺をしたい
A:青信号を渡っていたのに、なんで非があるのか。それよりも、うちは女の子なのに、体に傷がついて、外に出たくないとまで言っているんだ。1000万円ほしいくらいだよ。
B:いや、こちらが青信号で、おたくが赤信号で渡っていたのだ。
Aの慰謝料100万円は、判例に従えば、不当な請求のようにも思えますが、判例は変わりうるものですし、「女の子の体の傷は慰謝料増額事由と考えるべきだ」という主張は、それなりに根拠がありますので、不当な要求とはいえないでしょう。
Bの過失相殺の主張は、前提事実に争いがありますが、証拠による証明がなく、Bが真に自分が青信号だと認識しているのであれば、不当な要求ではないでしょう。
交渉では、こうして、相手の主張の根拠を減殺していき、相応のところで折り合いをつけようとするものです。
誠実な交渉者同士の場合、裁判にするのがお互いに得策ではないと理解していますので、どこかで折り合いがつくでしょう。
ところが、一方が誠実な交渉者でない、すなわち、到底根拠のない主張をしている場合、例えば上の事例で
A:判例なんぞ知らん。俺は100万円じゃなきゃ気がすまんのだ
B:うちは確かに赤信号だったが、車の前を歩くおたくにも半分責任がある
という主張をすると折り合いは困難になります。
このような相手の場合、①妥協してさっさと終わらせる②相手の言い分に根拠がないことを丁寧に説明する③さっさと裁判して、裁判所に判断してもらう
の3つの手段があり、相手によりそれぞれ一長一短があります。
②が一番難しいですが、話がわからないわけではない相手であれば、できる限り②の手段も考えていかなければなりません。
しかし、現実には、コストパフォーマンスを計算して、①か③の有利な方を選択するでしょう。
私は、不正な人間が大嫌いですので、どうしても③を勧めるケースが多いですが、相手方をしっかり分析し、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのかを適切に説明できるよう、もっと人間観察をしていこうと思います。

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