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2011年3月 3日 (木曜日)

責任を追及できない理由は

司法修習生として、裁判実務を見てから弁護士になると、刑事事件は捜査が始まるとほぼ有罪になる、という印象を受けます。
しかし、いざ、刑事事件を担当すると、結構な確率で無罪判決や、不起訴となる案件に出くわします。
弁護士の立場から見て最近よく感じるのは、いささか無理筋の案件を、強引に自白させて起訴しようとしているケースが少なくないのではないかということです。
被疑者国選制度が開始されて以降、捜査初動段階から弁護人がつき、否認する被疑者に適宜アドバイスを出せるようになりました。
証拠が乏しく、いかにも無理筋だと感じる案件では、かなりの確率で被疑者は高圧的な取調べを受け、勾留満期まで、これを我慢しきれば、証拠不十分で釈放されるという流れで手続が進みます。
この点は、もう少し、捜査の最初の段階で検事がしっかりと事件の見通しを見極めなければならないところだと思います。
他方で、世間を騒がせておきながら、結局責任を追及できない件もあります。
例えば、尖閣諸島のビデオ流出問題は、法律の解釈上刑事責任の追及が困難でした。
現在捜査中の大学入試不正事件も、被疑者がおそらく未成年であることをふまえると、最終的に刑事責任を追及できるかどうかは、疑問が残ります。
刑事規定は、恣意的な解釈や運用は許されず、型にはまった使用が必須です。
しかし、型にはめた結論でよいというわけではなく、妥当な結論を導けるよう、法自体を修正していかねばなりません。
情報技術の発達においつけていない現状に追いつき、より適正な刑事司法が実現するためには、まだまだ課題が山積のようです。

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