« 限られた資源の中でのサバイバル | トップページ | 大震災の他地域への影響 »

2011年3月15日 (火曜日)

事情聴取の一線

刑事事件では、被疑者の供述をめぐって、検察官と弁護人の間で様々な駆け引きが繰り広げられる場合があります。
ここで、検察官は被疑者を自白させればそれでよいというわけではありませんし、弁護人も否認・黙秘させればよいというわけではありません。
そもそも、被疑者が真実を自発的に話すことが望ましいのですが、検察官は被疑者の言い訳を疑い、真実を明らかにしようと取調べを行なうものですし、弁護人は、被疑者が意思に反して不利益な事実を話してしまわないよう、フォローするものです。
この本旨から考えれば、自ずから、どこまでが許され、どこからが許されないか見えてきます。
検察官の限界は、例え真実であっても、本人の意思に反して、事実上強要しないことです。
脅し、暴力、嘘はもちろんのこと、普通の人間であれば嫌がるような不利益を告知しての取調べは許されません。
あくまで、きちんと対話し、対話の中で、問題点や矛盾点を指摘し、真実の説明を求めるべきですし、裁判に向けた準備としては、問題点や矛盾点に十分に答えられていない調書をしっかりとれれば、十分及第点だと思います。
他方で、弁護人がしてはいけないことは、真実は有罪であるのに、「だまっていれば、証拠がないから逃げ切れる」と黙秘・否認をそそのかしたり、被疑者の言っていることが真実でないと知りつつ、当該事実の供述を通すよう指導することなどです。
真実でないことを押し通すことは許されませんが、被疑者が真実だといっていることは、信用しにくいものであっても、弁護人は信頼して、支える職務があります。
様々な話や報道を聞く限り、この一線をこえているかどうか、十分に判断できていない方が時々いるようです。
非常に難しいところですが、何が真実か、何が一線をこえるか、自分も丁寧に事情を考え、慎重に行動したいと思います。

|

« 限られた資源の中でのサバイバル | トップページ | 大震災の他地域への影響 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 事情聴取の一線:

« 限られた資源の中でのサバイバル | トップページ | 大震災の他地域への影響 »