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2011年2月16日 (水曜日)

裁判所の安定感

公判前整理手続を経た合議事件で無罪を獲得いたしました。
内容はここで触れるのは適切でないため、記載しませんが、刑事事件の判決はやはりよく考えられていると思います。
考えられている、とは、
1つは、様々な可能性や仮説をしっかり検討したうえで、その可能性を取り上げるかとりあげないかの判断について、極めて常識的な結論を導いているということ
2つは、保守的というか、安全というか、反論の余地の少ない判断をしているということです。
弁護士の立場として、被告人の有利な可能性があれば、それを法廷で主張する必要があります。
弁護士の判断で、どうせ採用されないから主張しない、と断じてしまうのは許されません。
しかし、それがただの可能性である以上は裁判所を動かすことはできないのも事実。
いかにその可能性が、正常であり、かつ、重大であることをプレゼンすることが訴訟活動として大事なのだと思います。
そして、そこで優れたプレゼンができれば、判決内容と弁護人の主張は近しいものになり、
そうでなければ、数行の理由で却下されるでしょう。
では、ここに裁判員が入るとどうなるでしょうか。
きちんと裁判官とコミュニケーションをとり、常識的な意見交換ができる方であれば問題ありませんが、裁判員候補者が必ずしもそういう人ばかりだとは限りません。
そうすると、何をどうアピールするかは、若干変わってきそうです。
とはいえ、どういう証拠から裁判所はどういう判断をするのか、少なくとも事後に判決を精査すれば、ある程度わかるという、裁判所の判断の安定感は、訴訟に携わる者としてありがたいものです。
そういう刑事司法が末永く続くよう、一訴訟関係者として今後も尽力していきたいと思います。

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