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2010年12月 3日 (金曜日)

本人訴訟を減らすには

私が修習生のころは、全判決のうち、原告が一部でも勝訴する(要は全部敗訴ではない)案件は9割以上だと聞きました。
単純な債権回収案件や、被告不出頭の案件もありますので、必ずしも訴訟は原告が有利だということにはなりませんが、負ける内容で無理に訴訟提起をするケースも少なく、原告の見込み違いで負けるケースも少なかったように思います。
しかし、最近、過払訴訟を除けば、原告の勝訴率が低くなっているのではないかといわれています。
もちろん、裁判所が被告に有利に法律解釈や証拠の評価をするようになったわけではないでしょうから、これが事実だとすれば、訴訟を起こす側の問題だといえそうです。
私が思うに、弁護士が着手金目当てで、勝てない訴訟を無理にやっているというケースはあまり見かけません。
それよりも、本人訴訟でびっくりするような内容の裁判を起こしている人をしばしば見かけます。
公の場での法律相談をしている際も「私が正しいだろう、だからお前裁判で勝ってくれ」と、結論ありきで物を言う方が時々おられます。
もちろん勝てるケースであれば、喜んで受任させていただきますが、そういうケースほど、これ勝てるのか?と疑問符のつくケースが多く、遠まわしに受任を丁重にお断りし、よそにまわします(皆がたらいまわしにしているから、件数が増えているように見えるのかも)。
本人訴訟だと、法律構成に疑問符がつく場合もあります。
Aという法律構成で裁判を起こされ、これに対する反論は簡単だが、自分だったらBという法律構成を主張し、これを主張されたら反論が大変だ、などと思いながら、弁護士も裁判所も何も相手方には教えず、粛々と裁判を進めます。
自分で裁判をすることは決して悪いことではありません。
しかし、いくら自分が正しいと思っても、必ず1度は弁護士の意見を求めたほうがよいでしょうし、2度弁護士に相談して、2人とも勝算が薄いといわれた場合、その裁判を起こすことは少し考えなおしたほうがよいと思います。
簡単に勝てる裁判が増えると仕事は楽ですが、そういう案件はそもそも裁判にせずにすむよう、交渉できっちり方をつける仕事が弁護士にはこれからますます求められてくるでしょう。

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