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2010年10月13日 (水曜日)

無駄な繰り返し・・ではない

刑事弁護の否認事件は、先に弁論要旨を作成してから、それにあわせて立証計画を考えるのがセオリーです。
今日は、とある大規模事件について、ほぼ丸一日かけて弁論要旨を考えましたが、言葉でいうよりも実際に考えるのは大変です。
証人の具体的な証言もわからない
採否留保されている証拠の行く末も不確定
不同意にした被告人調書は撤回されるか、任意性が認められるかも不明
このような状態で、筋の通ったシナリオを書き上げるには、分岐点がありすぎてなかなか適切な筋を発見できないからです。
とりあえずよさげな方向性を考えてまとめてみる→しかし、証拠を整理すると別の筋が見えてくる→書き直す
の繰り返しの中でようやく良い道筋が見えてくることがわかりました。
司法修習生の試験のように、証拠が出揃った状態で弁論要旨を作成する場合は、このような迷いはありません。
しかし、主張の方針を決めずに場当たり的な尋問をしても、得るべき証言がきちんと得られるかどうかはわかりません。
主張→立証検討→主張再構成→立証確認→・・・の繰り返しを通じてよりよい弁護活動は生まれてきます。
年配の弁護士はここまで丁寧な仕事はせず、経験でずばっとやってしまうことが多いですが、まだまだ若手の我々の世代は、このような一見して無駄なループをこなす中で、裁判所によりよいものを持ち込む努力を通じて経験を培っていかなければならないと改めて感じました。

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