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2010年8月 3日 (火曜日)

みせかけの書面より確かな環境作り

少年事件でも、刑事事件でも、大切なのは、裁判所に提出する書面をいかに書くかという、形式的な面よりも、本人の環境整理の実質面だということを、事件処理をするたびに感じます。
いかに言葉を尽くしても、社会生活の中で更生する可能性が低ければ、
在宅保護観察も、保釈も執行猶予も決定しにくいからです。
司法研修所はどうしても、裁判実務の質の維持のために、書面作成能力ばかり重視しますが、こうした点が大事であることを、弁護士会の刑事弁護研修から、しっかり教えていかなければならないでしょう。
この局面においては、依頼者のいいなりにならず、批判的に環境作りをすすめる必要があります。
「前のときは簡単に出られた」といわれれば、「今回、2回目だから常習性の点で不利」と、
「俺は無罪だから早く出せ」といわれれば、「裁判所から見たら、証人を脅す可能性を否定できない」と、
「きちんと親のところで一緒に住む」といわれれば、「将来的な面はそのように精一杯主張するが、過去ふらふらしていた点については不利に見られる」と、
「保釈金は親の金だが、親に借金まで負わせて逃げるはずがない」といわれれば、「他人の借金と自分の自由、本当はどちらが大事か」と、
少し意地悪ですが、本人の甘い部分を考えさせ、一緒に、優れた環境を作っていく姿勢が何より大事です。
被疑者国選が始まり、起訴前示談や保釈のために走り回ることが増えた反面で、公判直前にすべきことは減ったように思います。
これが私だけでなく、弁護士会全体の傾向であれば、被疑者国選は、刑事弁護制度のあるべき方向に弁護活動も誘導した優れた制度だといえるでしょう。

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