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2010年7月17日 (土曜日)

不知

民事事件でも刑事事件でも、要証事実に対し、「不知」という答弁があります。
認めるわけでも、否定するわけでもないこの答弁は、時に無意味、時に厄介な代物です。
不知とは、要は、立証されれば受け入れる、という態度であり、証拠がある案件では、何らの意味もありません。
しかし、逆に証拠のない案件では、不知と答弁されたままでは、当該事実は援用できませんので、証拠を探す手間を強いられます。
相続案件などで、実質、争いはないにもかかわらず、被告が不知としたため、多大な証拠収集を要求された原告はたまったものではないでしょう。
刑事事件で、不知は、ほぼ自白と同じ意味を持ちます。
それは、検察官は、被告人が法廷で否認に転じても、有罪認定できるだけの証拠を収集しているからです。
刑事事件で中途半端に「不知」と答弁されても、被害者の証言を弾劾する事情は、被告人から聴取してもらえませんし、被告人の供述調書の任意性がないことの事情もよくわからないので、弁護士としては、非常に手を焼きます。
知らないことは知らず、これを無理に認めたり、否認してはいけませんが、その記憶の欠如は、時に無視され、時に多大な迷惑をかけるものであることは、認識したほうがよいでしょう。
私もこれをふまえ、できる限り正確な認否を聴取し、答弁書でまとめたいと改めて思いました。

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