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2010年6月19日 (土曜日)

委任契約の内容

弁護士は委任契約を交わして事件に着手します。

この委任契約の内容は、契約書上も、簡単に書かれているだけで、詳しく特定されることはあまりありません。

それは、事件処理の内容は多岐にわたり、局面・局面でやることがめまぐるしく変わることが理由の1つでしょう。

そんな委任契約の内容は、弁護士は理解していますが、委任者の方が理解されていないことがありえ、その場合、説明義務違反の問題が生じえます。

当たり前のことですが、弁護士との委任契約は

・勝訴もしくは一定の結果を残すことを約束するものではないこと

・依頼者の言うとおりにすべてこなさなければならないわけではないこと(違法や要求は拒絶しますし、書面の作成にあたっても、最終的に自分の印を押して提出する書面は、弁護士が内容を決定します)

ときどき、「結果を残していないから着手金返せ」とか、「自分の言うとおりの書面を書かなかったから解任」というトラブルの話を聞きますが、このような要求は基本的にだめですよ、ということは、弁護士に依頼するのが初めてという方には、当たり前でもきちんと説明すべきなのでしょう。

このような根本的部分を除くと、あとはどれだけその事件を精力的に行うか、という相対的な問題となります。

ひととおりの業務をこなしていれば、法律構成を間違えたとか、提出すべき証拠を出さなかったなど、明らかなミスがない限り、弁護士に契約違反の責任を追及するのは困難でしょう。

建築請負でしばしばあるケースですが、ひととおりの仕事をしたら、契約の相手方が、明確な瑕疵やミスを指摘しない限り、契約上の費用を支払わなければならないというのが、現在の委任・請負契約についての判例の流れです。

このこと自体は、私は合理的だと思います。

そのうえで、「ひととおりの仕事だけしておけばよいだろう」と考えてしまうのか、「割に合わないけれど、精一杯頑張ろう」と考えられるかが、本当のプロとそうでない人をわけるポイントなのでしょう。

この点をふまえ、よい弁護士、よい活動をしてくれる弁護士とつきあう方法をまとめると、

・当たり前のことでも丁寧にわかりやすく教えてくれる

・結果を保証しない、あるいは楽観的な展望をしない

・弁護士としっかりコミュニケーションがとれ、現状に共感してもらえる

といった点を重視すればよいのかと思います。

顧問契約は、相談の少ない時期には、費用対効果のわりにあわないものですが、いざというときに、顧問弁護士からしっかり説明を受け、連携してスムーズに事件処理にあたることができる点で、将来投資として悪くない契約だと思います(相当な対価であることを前提としますが)。

自分としても、今後ますます、しっかり委任契約の内容を説明し、ダメなことはダメと断り、見こみのある案件について最大の効果を得られるよう精力的に動いて行こうと思います。

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