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2010年5月17日 (月曜日)

慰謝料はアテにできない

相談に来られる方は「慰謝料」の大きな期待を抱いてこられる方が多いですが、弁護士からすれば、慰謝料には大きな期待は抱けません。
まず第一に、現状の裁判例は必ずしも被害者に十分な慰謝料が命じられているとはいえないからです。
どれだけ苦しい思いをしたか
それを一生懸命、裁判官に伝えれば、多少なるとも、和解の席で、加害者に強く説得してくれることを期待できるかもしれませんが、判決は辛い場合が多いです。
慰謝料算定のために、裁判員制度が必要かもしれません。
ここまではよく知られたことですが、2番目の理由が実は大きいと思います。
高額の慰謝料が命じられても、それを払える人は限られています。
そうすると、分割支払となりますが、高額になればなるほど、長期分割になり、
支払う側は精神力が続かず、
支払を受ける側はいつまでも加害者との接点を持ち続けなければいけないことになります。
特に離婚慰謝料では、養育費を支払ったうえで、さらに慰謝料なるケースが多く二重苦となります。
こうしたことを考えると、慰謝料を分割で支払わせるにしても、3年間くらいが限度になってくるでしょう。
任意整理を初め、一般債務の弁済は長くて3~5年かけて行われます。
弁済できなければ破産というプレッシャーと、最悪破産もできるというゆとりの中で、このくらいの期間が継続支払の意思が持続する限界だといわれています。
慰謝料の支払はそれよりも辛いものです。
そういうわけで、慰謝料は金を持った相手からしかまともにとれない、とさえ言われることもあるようです。
客観的に定められる額をもとに、その何割をどのように支払わせるかを考える一般事件と異なり、
金額も支払方法も考えさせられる慰謝料事件は非常に困難です。
裁判所と弁護士が連携して、できれば将来的には参与員制度などで、一般人の意見も聞きながら、より納得のいく解決に向けて努力していかなければならない重大な分野であると思います。

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