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2010年5月10日 (月曜日)

どちらが得?

今年に入って、既に4件、被疑者弁護で不起訴を獲得しています。
うち2件は示談成立
1件は証拠不足の指摘
1件は法律解釈の困難の指摘
です。
後2者はフロックのようなものですが、示談成立による被疑者の早期解放は、弁護活動のうえでも、最も難しく、最もやりがいのある業務です。
示談の成立する案件にはいくつか特徴があります。
重大な被害を生じた案件ではまず、被疑者段階での示談は困難です。
民事訴訟で想定される賠償金にかなり上積みしても困難で、「民事訴訟だとこの程度・・」は絶対に言ってはならない禁句です。
重大な被害を生じない案件のうち、罰金刑の含まれる犯罪については、想定される罰金額が、民事訴訟上の損害賠償額よりも参考になります。
被害者も警察の事情聴取の中で、被疑者の処分見込についてある程度のことは聞いています。
そこで、予想される罰金額よりも低い示談金額を提示されると、当然、「馬鹿にされた」と感じてしまいますし、「民事訴訟だとこの程度・・」はここでも当然禁句です。
これを被疑者に説明すると、まず、
何で罰金以上の金払う必要があるんや
とか、
先生の力で値切ってくれ
などといわれます。
個人的には示談金は、精一杯交渉すべきものですが、値切ればよいというものではないと考えますし、示談の成立により、不起訴が得られる見込みがあるのであれば、想定される罰金額より少し高く払ってもそちらの方が得だと思いますので、この点をしっかり説明します。
もちろん、高額の示談金の支払を事実上強制するような説明はしませんが、罰金額がある程度想定される場合、少し損してでも、多めに被害賠償し、早々に不起訴釈放を得てしまうのが得であろうと思います。
立場かわって、犯罪被害者側の、損害賠償請求もしばしばしていますが、起訴される前であればある程度うまく交渉はできるものの、起訴後の損害賠償請求は、訴訟を起こしても、必ずしも十分な賠償金を獲得することができない場合があります。
犯罪被害者の場合、いくらとったかよりも、内心の事情の方が大きいので、決して早期解決は勧めませんが、単純な金銭の問題であれば、起訴前に早期に解決してしまうのが望ましいです。
理屈はわかるが、納得いかない、そう思いがちなところですので、無理強いはよくありませんが、何が得であるかをしっかり説明し、示談の機会を確保してあげることは、いずれの立場についても大事なことだと思います。

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