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2010年5月24日 (月曜日)

訴状は厚く書くべきか

訴状には、請求の趣旨・請求の原因(当該請求の要件事実)・重要な関連事実、を書くのが普通です。
しかし、事前の交渉を十分に行ったうえでの訴訟(本来、訴訟提起は、十分に話し合ったうえで、交渉が決裂した場合になすべきですが)提起であれば、争点及びそれに対する反論がある程度見えている場合があります。
そうした場合に、訴状から詳細な主張を書き込んでいくことが良いか悪いか、これを平然と受け取る裁判官もいれば、嫌がる裁判所もあります。
まず、相手が交渉段階である主張をしていても、訴訟において同じ主張をしてくるかはわかりませんので、相手の主張を勝手に想定して先行反論するのは失礼ですし、行きすぎの感があります。
訴状で厚く書くというのは、請求原因事実の個々の要素について、詳細な検討を加えることが多いでしょうか。
通常であれば、訴状では、「・・・に該当する」とさらっと書き、否認された要素について、掘り下げた主張・立証を加えていくのが普通ですが、争われることを想定して(争われなければスルーしてもらえばよい)、詳細な主張をすることにより、場合によっては、担当裁判官の心証形成と争点整理を促進できるかもしれません。
頭の良い裁判官であれば、長い訴状でも短い訴状でも、事案の概要と要件事実を整理しながら読んでいきますので、こうした訴状にも対応してもらえるのでしょう。
しかし、忙しくて、第1回期日前に、訴状を斜め読みしかできない裁判官や、訴状チェックをする書記官にはあまりやさしくない訴状だといえるでしょう。
主張は詳細に提出されたほうが裁判所にとっては喜ばしいですが、第1回期日前は、いくら自分は先が読めていても、最低限の事情プラスアルファにとどめ、裁判官も書記官も確実に事案と主張を把握して、訴状を受理できるようにするのがやはり良いと思います。
このような配慮をすると今度は第1回期日に「ずいぶん簡潔な訴状ですね」と言われることもあります。
そういうときは、答弁書受領後、第1回期日までの1週間の間に反論書面を出せる程度に準備しておくこともありでしょう。
主張書面自体がそもそも受け手によって対応がぜんぜん違いますが、その中でも、訴状は最も根幹でデリケートなものです。
訴状は軽く、次の主張書面から詳しく
という標準的ルールはできる限り守って、迅速確実な訴訟進行を図っていきたいと思います。

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