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2010年5月25日 (火曜日)

優秀すぎるパートナーは身を滅ぼす   

税務訴訟や特許訴訟など、特殊な知識を体系的に理解していなければ、自分が出した証拠に何が書いてあるかもわからない、という事件があります。
一般に特殊分野といわれている分野に限らず、リフォームやちょっとした請負の売掛金回収でも、書類の内容を検討するのが1苦労の案件もあります。
こうした案件を専門的にこなし、すらすら書類を読める弁護士同士で事件を進めるのが望ましいですが、なかなかそのような弁護士は多くいません。
それゆえ、補佐人というかたちで、弁護士の理解を補佐する立場の人間が裁判に加わっていただけるとありがたいです。
が、それに甘えてはいけないと思います。
経験を積んだ弁護士を生み出すために、弁護士と補佐人がタッグを組んで事件処理を認める必要性はありますが、
最終的には訴訟のプロである弁護士がしっかりと証拠構造を整理し、勝訴に向けて能動的に活動していかなければなりません。
補佐人が優秀なため、まるきり任せてしまい、当の弁護士は何を主張しているのか、何を証拠として出しているのかわからないままでは、事実上、補佐人に単独訴訟代理権を付与したようなものです。
難しく手間のかかる事件でも、だからこそ、補佐人とともに学び、自らを高める機会だと思わなければならないと思います。
私はこのことに、少し難解な事件で、裁判所にきちんと内容を説明するために、専門家に助言をいただいた際に気づきました。
優秀な専門家に1から10までしてもらうのは簡単かつ高レベルのサービスを提供できることになるが、その事件を機に自分の学ぶ機会と実践する機会を奪われたかたちになります。
裁判所は、わかりやすい完成されたものを裁判所にもって来いという
弁護士はわけがわからぬまま、とりあえず裁判所に証拠を放り込み、裁判官に処理を丸投げする
このような押し付け合いが始まれば、充実した裁判は到底望めません。
難しい案件や特殊案件だからといって、安易に優秀なパートナーに依存するのではなく、かといって、無理に自分でやって質を落とすこともなく、精一杯頑張る必要があることを忘れまいと思います。

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