« 権利の確認は書面で念いりに | トップページ | 資源は有限 »

2010年4月28日 (水曜日)

全件前置主義の限界

家事事件はいわずとしれて調停前置主義があります。
しかし、近時、案件の増加のせいか、調停委員不足のせいか、第1回期日まで時間を要することがあり、さらに、2回目以降の期日も、訴訟のように月1回テンポよくはなかなか入りません。
調停を申し立てると、事件処理が遅くなるといわれても仕方のない現状があります。
調停前置主義が採用されるのは、裁判所が事件を一刀両断にするよりも、当事者同士で話し合いをしたほうがより良い解決が望めるからですが、家事調停の中には明らかに話し合いに馴染まない事件もあります。
支払う側が明確に支払意思を拒絶している、婚姻費用・養育費請求事件や、財産分与・慰謝料請求事件などは、案件によっては、裁判所が速やかに決定を出した方が解決に資する場合が多々あります。
特に別居直後の婚姻費用は、生活費の柱であるところ、これが2か月、3か月かけて調停して、それから審判して、というのでは遅きに失します。
相手方所在不明の場合には、調停をとばして訴訟をすることができますが、相手方が明らかに話し合いに応じない場合にも、到底前置主義の例外を認めていかなければ、当事者にも裁判所にも事件が滞留し、よおしくない傾向が生じると思います。
あとは、開廷(?)日の固定化もできるかぎりやめてほしいです。
裁判所なりにメリットがあるのでやっているのでしょうが、「火曜日しか調停を開かない」「期日は2週間おき」とかなると、忙しい弁護士同士の案件では、簡単に2か月3か月先の期日になってしまいます。
案件が多く、人手不足だからこそ 合理的に事件を処理していかなければならない
何が合理的であるかを、もっと、裁判所・弁護士・利用者が意見を出し合い、よりよい運用を考えていかなければならないと思います。

|

« 権利の確認は書面で念いりに | トップページ | 資源は有限 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 全件前置主義の限界:

« 権利の確認は書面で念いりに | トップページ | 資源は有限 »