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2010年3月 2日 (火曜日)

民事訴訟での立証

司法研修所で、「民事裁判の事実認定は刑事裁判より緩やかだと誤解している人が多いようだが、そんなことはない」と、教えられました。
「証拠の優劣」だけで事実認定が決まるわけではないということを言いたかったのでしょう。
刑事裁判の事実認定は「厳格な証明」が有名で、合理的な疑いを払拭する程度にしっかり証明しなければなりません。
民事も争点である事実を認定するには、裁判官の疑いを晴らす程度に証明しなければならないでしょう。
ですが、事実によって結構、差があるように思います。
常識的にあるべき事実については、極めて簡易な証拠、場合によっては証拠がなくとも認定されるケースが多いです。
これに対し、常識的に考えにくい事実については、客観的な裏づけがなければ、反証を伴わない本人供述だけでは認定されにくいです。
相手にお金を渡した理由について
あげた、というのであれば、きちんとした理由があれば、本人供述だけで認定されるでしょう。
借りていたお金を返した、というのであれば、貸金に争いがなければ本人供述だけで認定されるでしょうが、争いがあれば、貸金についての裏づけを要求されるでしょう
強奪された、というのであれば、客観的裏づけがなければ、本人供述だけでは認定されないでしょう。
証拠はたくさん出した方がよいといわれます。
確かにたくさん出して損はないでしょうが、当たり前の事実や積極的に争われていない事実についての証拠を積み上げてもあまりプラスにはならないでしょう。
争点たる要件事実を抽出し、その間接事実、再間接事実・・・・と丁寧に分解し、そのうち、自然でない事実についての証拠を徹底的に探し出すことが大事だと思います。
まだまだ、感覚で立証準備するのは早いということを忘れず、丁寧な立証活動を心がけたいと思います。

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