« 裁判官の増員を | トップページ | 引退勧告は突然に »

2010年2月 3日 (水曜日)

「小さな事件」は誰がやる?

法律相談を受けていると、しばしば他の事務所の状況を垣間見ることができます。
事務所ごとに個性があってしかるべきですので、それほど驚くことはないのですが、時にとんでもない費用を請求している事務所の話を聞きます。
私は弁護士費用の設定にあたり、「自分がどれだけ苦労するか」よりも、「その人の事件に対する意識や資力などから考えていくらが妥当か」を考えて価格を設定するため、おそらく一般よりもかなり安めになっていると思います。
その反面で、家事事件で、交渉・調停・訴訟の各段階で着手金を請求する事務所や、オーソドックスな過払金返還請求事件で30%以上もの成功報酬をとる事務所の話などをよく聞きます。
大阪弁護士会の月刊誌にも、しばしば報酬のとりすぎで紛議調停が起こるという記事が載っており、私の感覚からしてありえない高値で事件を受任している弁護士もいることに驚きを感じます。
弁護士への委任は事件処理におけるコミュニケーションがしっかりとれるか、自分の気持ちに共感してもらえるかが大きなポイントですが、それでも、弁護士費用が高いと思ったら、別の弁護士に見積してもらうことも大事でしょう。
逆に、個性からの脱却として、「一見さんお断り」が減ってきているという話を聞きます。
「一見さんお断り」は、一般人に対して冷たい印象を与えますが、大切な自分の顧客に対するサービスの質を維持するために、やむをえない措置でもあります。
しかし、弁護士増員の影響もあってか、将来に対する不安を払拭するため顧客層を広げる、あるいは、積極的に修習生の受け入れに協力し、その分の仕事を増やす、という傾向もあるようです。
ただし、それはあくまで比較的費用対効果のあがる事件で、訴額僅少事件や大量事務処理系事件はなお敬遠傾向が続いているようです。
弁護士が少ないと「小さな事件」へのリーガルサービスが行き渡らない
弁護士が増えると生計への不安から「小さな事件」をやっている暇が無い
弁護士の増加は、確実に弁護士費用の低下をもたらすでしょうし、
そうであるからこそ、事件に恵まれ余裕のある弁護士が、「小さな事件」にも目をむけていかねばならないと思います。
とんでもない報酬をとり、それをCMにつぎ込んでまた高い報酬をとる
その方針にケチをつける気はありませんが、そういう人こそ、「小さな事件」を通じて社会貢献していってほしいと思います。

|

« 裁判官の増員を | トップページ | 引退勧告は突然に »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「小さな事件」は誰がやる?:

« 裁判官の増員を | トップページ | 引退勧告は突然に »