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2009年10月30日 (金曜日)

答弁 不知

民事事件では、相手主張事実を知らないと答弁することがあります。

事件によっては大半の事実を知らないと答弁することもあります。

それに対して刑事事件では不知と答弁することはあまりないのですが、最近立てつづけに不知と答弁せざるをえない事件にあたり、手続選択を悩ませる事案に出会いました。

民事事件で認否するのは相手方の事情ですから、相手方の事なんぞ知らんということはいくらでもあります。

対して、刑事事件で認否するのは、自分の行動ですから、検察官に指摘された行為をしたかしていないか、返事は2つに1つです。

このような刑事事件の認否ですが、たとえば

共犯事件で共犯者がやったことはしらん 被害額多すぎじゃないのか

とか

飲酒酩酊していたので、どんな行動をとったか覚えていない

とか

同様の犯罪を繰り返し行ったので、日時場所態様を逐一覚えていない

といった場合には、本人は事実について知らないのは当然やむをえません。

証拠を見て、おかしな点があれば、弁護人の意見として否認して争うことはできますが、証拠から事実が明白であっても、被告人が認めていない事実を弁護人が認めるのはよくありません。

そこで、事実に対する認否は不知とし、関連証拠について被告人と十分に反対尋問の要否を検討したうえで、同意した書証から裁判所が心証をとるのはかまわない、という手続になっていきます。

自分のしたことなのに、不知、というのはおかしな話で、裁判官や検察官にも厳しい追及を受けることがありますが、時にそういう場合もあります。

マニュアルにのっとった処理ができない難しい案件ですが、決して被告人に不利益とならない手続という観点から丁寧に検討していけばよいと思いました。

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