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2009年9月30日 (水曜日)

口約束の内容

口約束に基づく契約の履行を求める裁判がときどきあります。

口約束など、法的保護に値しない、という裁判例もありますが、多くの場合、約束したことは守らせる判決が出ますので、しっかり対応しなければなりません。

ところが、書面にしていない契約ですので、お互いが認識している合意内容が異なり、裁判上争いとなる場合が多いです。

請求原因を主張・立証すべきなのは原告ですので、原告はきちんと合意の内容を特定しなければいけませんが、被告はどうすればよいか。

原告の主張内容が事実と異なれば否認します。

否認のうえに、さらにどういう契約であったかを被告の側も特定しなければならないかというと、主張・立証責任の分担から考えて抵抗があります。

被告の側で契約内容を特定すると、その限度で合意の存在は争いがない、自白が成立してしまいますので、後で契約内容が実は違ったということがいいにくくなったり、自分の主張により、相手が立証すべき請求原因が認定されてしまうこともあるからです。

ここで、平凡な裁判官は、適当に主張立証させて、全裁判資料から適当な合意を事実認定しますが、積極的に訴訟指揮をする裁判官は、被告側にも合意内容を主張させます。

何らかの合意があったことに争いがなければ、請求原因の主張立証責任は原告にあっても、その特定のためには被告も協力し、合意内容を履行せよ、ということでしょう。

とはいえ、被告がどこまで事実を特定すべきかは、大事な問題ですので、事案の性質や依頼者の性格などをしっかりと把握して個別に慎重に対応すべきことです。

何気ない仕事の中にも、実務には難しい問題が常に内在され、緊張感をもって仕事をしなければならないと思います。

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