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2009年8月22日 (土曜日)

弁論主義と代理人の法律構成

裁判所は当事者の主張していないことを勝手に認定・判断してはならない。

民事訴訟の基本原則です。

しかし、実務についてみると、少なくとも本人質問で出た事実は、主張上全くなものも、これまでの主張と矛盾するものも、当然に裁判の前提とされ、時に、そこから裁判所が、当事者の主張していない法律構成で判断するケースもあります。

裁判所の心証として勝たせたい当事者が、適切な法律構成を選択していない場合、当該当事者が勝てる法律構成の基礎事実が証拠上認定できれば、当該法律構成を採用してよいというルールがあるようです。

これはこれで、適正な判断のために必要なことではありますが、弁論準備手続までテキトーな主張を繰り返していた当事者が、本人質問でいきなり違うことを言い出し、形勢が逆転してしまうということがまかり通るようであれば、大変なことです。

もう1つ、当事者がある程度主張立証を尽くした段階で裁判官が、「ところでこの事件の争点はどういったところんいなってくるのでしょうか?」と聞いてくる事件もあります。

もっと早い段階で聞けよ、と言いたいところですが、それは、典型的な紛争類型に当たらない事件で、当事者としても事情を列挙するばかりで、法律構成を整理できていないからなのでしょう。

いずれの類型も、代理人が十分に法律構成を吟味できていないが、それで勝敗が決するのはおかしいので、裁判所がフォローしているというのが実情ではないでしょうか?

弁論主義は、代理人が十分に事件資料を検討し、最善の法律構成を行使することが前提となりますが、「よくわからん事件だから、あとは裁判官ヨロシク!」では、弁論主義を貫くと適正な事件解決ができない場合もあるようです。

本当に「よくわからん事件」を受任するのは、売れない弁護士か、修羅場を乗り越えてきたベテラン弁護士ばかりだと思いますが、ありがちなのは、典型的な紛争類型と微妙に違うのに、そこに気づかないことだと思います。

昨日の契約書チェックの点同様、仕事の一部を「ここはいつも通りのありきたりなところ」と、判断してしまわず、微妙な違いの存在にしっかり気づけるよう、日々丁寧に書類に目を通すよう気をつけていかなければならないと改めて思います。

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